ISDNのEDI受注を「2027年まで」と覚えたまま先送りしていないか|インターネットEDIへ移すか、受注の受け方ごと見直すかの判断

EDI受注管理システム移行

ISDN回線のEDIで受注を受けている会社から、下期の予算を組む時期にご相談をいただきます。「2027年に使えなくなると聞いた」という話から始まることが多いのですが、そこから先の進め方で結果が大きく変わります。ここでは、この移行の検討で実際に起きている失敗を4つ挙げて、なぜ起きるのかと、どう防ぐのかを書きます。

期限を「2027年」とだけ控えて、下期の予算から外していました

2027年ではない3つの日付

「2027年」という数字は、ディジタル通信モードの提供終了に伴う当面の対応策の提供時期として案内されていたものです。NTT西日本の「INSネット」をご利用の事業者さまへでは、ディジタル通信モードが2024年1月から地域ごとに段階的に終了していること、切り替え後は補完策の上でデータ通信が続くこと、その補完策では従来より伝送遅延が生じて処理時間が増大する場合があることが案内されています。一方、NTT東日本のINSネットの新規申込受付・提供終了についてでは、新規の申込受付は2024年8月31日に終了し、提供終了日は2028年12月31日と示されています。

ここで起きる勘違いが、「期限が1年伸びた」という受け取り方です。実際には、ディジタル通信モードそのものはすでに終わっていて、いま動いているのは移行が間に合わない利用者に向けた当面の対応にあたります。防ぐには、社内資料に書く数字を「いつ終わるか」ではなく「自社の回線はいつ切り替わったのか」に変えます。夜間の受信が以前より長くかかるようになっているなら、その影響はもう出ています。

止まるのは回線だけだと考えて、その先の通信手順を数えていませんでした

取引先ごとに書き出す項目

回線をインターネットに替えれば済むと考えると、見積もりが大きく外れます。ISDNのEDIは、回線と通信手順と通信ソフト(端末)と自社システムへの取り込みが積み重なってできています。回線を替えると、その上で使っていた手順がそのままでは動きません。JCA手順や全銀手順は電話をかけてつなぐ前提で作られていますので、インターネット上では全銀TCP/IP手順やEDIINT AS2、流通BMSといった別の手順へ置き換えることになります。しかも指定される手順は取引先ごとに違いますので、1社の移行が終わっても、その仕組みが次の1社に使えるとは限りません。

防ぐには、契約書ではなく通信ソフトの設定画面を見ます。次の項目を取引先ごとに1行で書き出すと、作業の量が見えてきます。

取引先名 / 手順名(JCA手順・全銀手順・その他) / 回線の種別
通信ソフトの名称とバージョン / 端末の設置場所と保守の有無
受信の時刻と1回あたりの所要時間 / 月間の受注明細行数
自社システムへの取り込み方法 / 取り込みの担当者

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取引先から案内が来ていないので、まだ動かなくてよいと考えていました

案内を待たずに聞く手順

案内は、来ないことがあります。EDIの切り替え日程は発注側の都合で決まりますので、こちらから聞かない限り相手の検討状況は見えません。届いているのに営業担当のところで止まっていて、こちらの受注担当まで回っていない場合もあります。もう一つ怖いのが、案内が一斉に届く場合です。ISDNのEDIで受けている取引先が5社あれば、5社の切替日が同じ四半期に並ぶことも起こります。試験の立ち会いは1社ずつ必要ですので、その時期に自社の手が足りなくなります。

防ぐには、こちらから先に聞きます。文面は次の程度で足ります。

いつもお世話になっております。
現在、貴社との受発注をISDN回線のEDIで行っております。
回線の提供終了に向けて、3点うかがえますでしょうか。

1. インターネット経由への切り替えのご予定はありますか
2. 切り替え後に使う通信手順と、切替の目安時期を教えていただけますか
3. 接続仕様書と接続試験の手順書をいただくことは可能でしょうか

こちらの準備時期を決めるための確認です。

インターネットEDIへ移すことだけを検討し、受注の受け方そのものを見直しませんでした

移すか受け方を見直すか

今と同じことを違う回線でやる、という前提で見積もると割高になります。ISDNのEDIで受けている取引先が2社しか残っておらず、残りはWeb受注サイトやメールに移っていた、という会社は珍しくありません。この状態でEDIの基盤を1式入れ替えても、受注全体の一部にしか効きません。判断は取引先の数ではなく、その取引先から流れてくる月間の受注明細行数で見ます。

見る項目 インターネットEDIへ移す場合 受注の受け方から見直す場合
ISDNのEDIで残る取引先の数 5社以上ある場合 2〜3社まで減っている場合
取引先からの指定 通信手順まで指定されている場合 指定がなく相談できる場合
月間の受注明細行数 自動化の効果が金額で出る場合 一時的に手入力へ戻しても回る場合
自社システムへの取り込み いまの取り込みを残せる場合 取り込みごと作り直す場合

取引先ごとに違う仕様をそろえる取り組みとしては、中小企業庁の中小企業共通EDIが公開されていますので、相手と手順を相談できる関係であれば選択肢に入ります。行数の少ない取引先を後回しにする考え方は取引先ごとに違うWeb受注サイトへ毎朝ログインして転記していると同じで、期限のある延命か更改かという構図はWindows 10でしか動かない業務システムを延命するか更改するかに近い話になります。発注の時期によって費用の扱いが変わる点は期末にシステムを発注しても今期の経費にならないにまとめています。

えらびの道では、卸売の受発注や請求まわりの業務システムをオーダーメイドで開発しています。EDIの移行では、取引先ごとの手順と受注明細行数の棚卸し、接続仕様書を読んで自社システム側の取り込みを作り直す部分、切り替え当日に取り込めなかった注文を担当者へ知らせる仕組みまでを担当します。データの可視化やレポートの自動化、受注実績をもとにした予測にも対応しています。全社分を一度に置き換えるのではなく、行数の多い取引先1社から動かして、残りは順番に移す進め方をとっています。

ISDNのEDI受注を移すために、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DXのご支援をしています。卸売の受発注や請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、EC・決済、業務データを集めて予測に使う基盤づくりなどを手がけてきました。受注データを取り込む側を実際に作る立場から、現場で起きていることをお伝えしています。

この記事で挙げた移行の検討についても、御社の取引に合わせたかたちでお手伝いできます。通信ソフトの設定画面から取引先ごとの手順と受信時刻を書き出すところ、取引先へ確認する文面の用意、切替後の受注データを自社システムへ取り込む部分の作り直しまで、受発注と請求の流れに沿って進めます。

進め方としては、全部を一度に置き換えることはしません。切替日が先に決まった取引先から1社ずつ動かし、残りは様子を見ながら移していきます。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当しますので、接続試験で出てきた相手先ごとの違いも、そのまま次の直しにつなげられます。

まずは、ISDNのEDIで受けている取引先が何社あるかを伺うところからで構いません。えらびの道ではオンラインで30分ほどのご相談をお受けしており、費用はかかりません。

よくある質問

ISDNのEDIはいつまで使えますか

NTT東日本の案内では、INSネットの提供終了日は2028年12月31日と示されています。ただしディジタル通信モードは2024年1月から段階的に終わっていて、現在は当面の対応策の上で通信している状態です。終了日ではなく、自社の回線が切り替わった日を基準に考えてください。

インターネットEDIへの移行にはどのくらいの期間がかかりますか

取引先1社あたり、仕様書の受領から接続試験の完了まで2〜3か月をみておくと安全です。実際には相手側の試験枠が空くのを待つ時間が長く、こちらの開発期間より読みにくくなります。取引先が複数ある場合は、試験の時期が重ならないよう順番を先に決めます。

取引先が少ないのですが、EDIをやめてしまってもよいですか

相手が受発注の方法を指定していなければ、CSVやWeb受注に切り替える相談はできます。判断はEDIかどうかではなく、その取引先から毎月何行の注文が流れてくるかで行います。行数が少なければ、EDIの基盤を維持する費用のほうが上回ることがあります。

ご相談は、お電話が一番早いです

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この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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