Windows 10でしか動かない業務システムを延命するか更改するか|10月にESU費用が倍になる前の判断基準

Windows 10システム更改IT資産管理

この記事の事例は、実際にいただくご相談をもとにした想定ケースです。特定の企業を指すものではありません。

10月を過ぎると、同じ端末の延長費が倍になります

ESU費用は毎年倍になる

Windows 10のサポートは2025年10月14日に終わりました。その後も使い続けるための仕組みが法人向けの拡張セキュリティ更新(ESU)で、公開されている価格は1台あたり年単位、しかも毎年倍になっていきます。

対象期間 1台あたり(米ドル) 1台あたり(円換算) 40台の場合
1年目:2025年10月〜2026年10月 61ドル 約9,200円 約37万円
2年目:2026年10月〜2027年10月 122ドル 約18,300円 約73万円
3年目:2027年10月〜2028年10月 244ドル 約36,600円 約146万円

円換算は1ドル150円で計算しています。注意点が2つあります。1つは、途中から加入する場合でも前の年の分をさかのぼって購入する必要があることです。もう1つは、この延長が2028年10月で終わることです。つまり今から数えると、お金で買える猶予は最長でも2年しか残っていません。「まだ先の話」ではなく、「あと2年で必ず答えを出す」という前提で考えることになります。

「Windows 10でしか動かない」は、3種類に分かれます

動かない理由は3種類

ひとくちに動かないと言っても、原因によって取れる手がまったく違います。まずどれに当たるかを分けてください。

動かない理由 よくある例 取れる手
アプリ本体がWindows 11で検証されていません 2010年代前半の受発注・生産管理パッケージ ベンダーに対応版の有無と時期を聞きます。無ければ更改の対象になります
周辺機器のドライバがありません ハンディターミナル、ラベルプリンタ、検査装置、カードリーダー 機器メーカーの対応表を確認します。装置に付属するPCは、2032年1月まで使えるWindows 10 IoT Enterprise LTSCに載せ替えられる場合があります
ブラウザの古い機能に依存しています 取引先のWeb-EDI、電子証明書を使う画面 提供元の対応予定を確認します。Windows 11でもIEモードは当面利用できるため、更改の緊急度は下がります

3種類のうち、本当に「Windows 10でなければどうにもならない」のは2番目だけであることが少なくありません。1番目と3番目は、確認さえすれば片付くことがあります。

延命が妥当な条件、更改を決めるべき条件

更改を決める側のサイン

判断は台数だけでは決まりません。次の7つの軸で、自社がどちら側に寄っているかを見てください。

判断軸 延命でよい場合 更改を決める場合
対象台数 5台以下の場合 20台以上の場合
ネットワーク 業務LANから切り離せる場合 基幹・メール・クラウドにつながっている場合
扱うデータ 個人情報や口座情報を持たない場合 顧客情報や決済情報を扱う場合
その業務の残り年数 2年以内に終わるか作り替える場合 5年以上続く場合
ベンダーの回答 対応版の提供時期が示されている場合 「未定」または「対応予定なし」の場合
外からの要求 特に問われていない場合 取引先のチェックシートやPマーク・ISMSで問われる場合
ハードの予備 同型機か部品を確保できる場合 故障したら同じ環境を作れない場合

読み方は単純です。右側が3つ以上ついた場合、ESUを買うかどうかにかかわらず、更改の計画を並行して動かす必要があります。右側が1つ以下なら、隔離した状態で使い切る判断もあり得ます。迷いやすいのは「右側が2つ」のときで、この場合はESUで1年だけ買い、その1年を更改の設計期間に充てるのが現実的です。

台数と残り年数を入れると、境目が見えます

ESU対象を絞る手順

金属加工のB社(従業員60名)には、Windows 10の端末が40台残っているとします。棚卸ししたところ、更改が難しいのは生産管理端末と検査装置に紐づく12台だけで、残り28台は事務作業とメールにしか使っていませんでした。

40台すべてにESUを付けると、2年で約219万円かかります。12台に絞れば約66万円です。差は約153万円で、これは28台をWindows 11機へ入れ替える費用の半分近くに相当します。しかも入れ替えた端末は5年使えるのに対し、ESUは2028年10月に消えてなくなります。

台数を数える前に見積もりを取ると、対象は必ず全台になります。先に一覧を作ってください。

# Windows 10 が残っている端末を、OSビルドと最終ログオン日で一覧にする
Get-ADComputer -Filter 'OperatingSystem -like "Windows 10*"' `
  -Properties OperatingSystem, OperatingSystemVersion, LastLogonDate, Description |
  Select-Object Name, OperatingSystem, OperatingSystemVersion, LastLogonDate, Description |
  Sort-Object LastLogonDate |
  Export-Csv -Path .\win10-inventory.csv -Encoding UTF8 -NoTypeInformation

これで出るのは台数までです。ここに「どの業務で使っているか」「どの周辺機器がつながっているか」の2列を手で足すと、ESUを買う対象がはっきりします。ログオン記録が半年止まっている端末が混ざっていることも多く、退職者のアカウントが残ったままになっている状態と同じ理由で、誰も使っていない端末に延長費を払う事故が起きます。

あわせて読みたい退職者のアカウントが消えないまま残っている|中小企業でID棚卸しが後回しになる理由と要件整理

延命を選ぶなら、期限と切り離し方を同時に決めます

ESUの購入を決裁するときは、必ず「いつまでに何を止めるか」を同じ紙に書いてください。書かないと、来年の同じ時期に倍の金額で同じ議論をすることになります。

切り離す場合は、インターネット接続を止めるだけでは足りません。USBメモリの持ち込み、共有フォルダ経由のファイルのやり取り、その端末が壊れたときの代替手段まで決めてから運用に入ります。どこまで社内に残し、どこから先を外に出すかという考え方は、社内サーバーを残すか外へ逃がすかを判断するときと同じです。

そして、判断の前提になるのはベンダーの回答です。口頭で「たぶん動きます」と言われた内容は判断材料になりません。次の4点を文書で聞いてください。

【照会】現行システムのWindows 11対応について

1. 現在ご提供中の〇〇(バージョン△△)は、Windows 11 の動作保証対象に
   含まれていますか。対象外の場合、その理由をお教えください。
2. 対応版をご提供いただける場合、提供時期と費用(改修費・追加ライセンス)を
   概算で構いませんのでお知らせください。
3. 対応予定がない場合、現行システムの保守はいつまでご提供いただけますか。
4. 下記の周辺機器について、Windows 11 での動作確認状況をお知らせください。
   (機種名を列挙)

回答が「確認中」のまま2か月動かない場合は、それ自体が答えです。その段階でソースコードや仕様書が手元にあるかを確認しておくと、更改先を探すときの時間が変わります。更改を選んだ場合、要件整理から稼働までは想像より長くかかるため、稼働時期から逆算した着手日を先に置いてください。

あわせて読みたい来年4月稼働の業務システムが8月着手でギリギリな理由|要件・期間・法改正の整理

更改を選んだときに、どこを手伝えるか

えらびの道では、卸売の受発注・請求、出張販売の管理、介護のシフト管理、ECサイトなどをオーダーメイドで開発しています。Windows 10に縛られている業務については、端末と業務の対応表づくりから入り、本当に作り替えが必要な機能と、ブラウザや周辺機器の確認だけで済む機能を切り分けるところをお手伝いできます。全部を一度に置き換えるのではなく、止まると困る1業務だけを先に動かして、残りを様子を見ながら移す進め方をとっています。データの可視化やレポートの自動化、機械学習による予測やリアルタイムなデータ収集基盤も扱っていますので、古い端末に閉じ込められていた数字を外に出す段階まで含めてご相談いただけます。

Windows 10端末の棚卸しから更改まで、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DX支援を本業としています。卸売の受発注・請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、EC・決済、業務データの収集と予測基盤といった領域で手を動かしてきました。机上の知識ではなく、現場で動いているシステムを前提にお話しします。

この記事で扱った端末の棚卸しと、ESU対象を絞り込む作業も、御社の環境に合わせてお手伝いできます。生産管理端末や検査装置に紐づく端末のように理由が機器側にある場合と、アプリ側にある場合とでは、取るべき手が変わります。どの端末がどの理由で残っているのかを一覧にしたうえで、延命と更改を分けるところまでご一緒します。

更改を決めた場合も、全部を一度に置き換えることはしません。止まると困る1業務から動かし、残りは様子を見ながら移していきます。ESUで買える猶予が2028年10月までである以上、どの業務から手をつけるかの順番が効いてきます。

打ち合わせから開発まで、えらびの道では同じ人間が担当します。まずはオンラインで30分、費用はかかりませんので、自社の台数と残り年数を並べるところからご相談ください。

よくある質問

Windows 10のESUはいつまで延長できますか?

法人向けは最長で2028年10月までの3年間です。2026年10月からは2年目の料金に切り替わり、1台あたりの金額は1年目の倍になります。途中から加入する場合は前年分もさかのぼって購入する必要があります。延長できる期間そのものが決まっているため、更改の計画は並行して進めることになります。

Windows 10の端末をネットワークから切り離せば、ESUは不要ですか?

外部との通信を完全に断てるなら、更新を止めるという判断はあり得ます。ただしUSBメモリの持ち込みや共有フォルダ経由の感染経路は残ります。切り離す場合は、データの受け渡し方法と、その端末が壊れたときの代替手段まで決めてから運用に入ってください。

古い業務システムはWindows 11ではそのまま動きませんか?

多くはそのまま動きます。止まるのは32ビット専用の部品や古いドライバに依存している箇所で、アプリ全体ではなく特定の機能だけが動かないことも珍しくありません。まず1台だけWindows 11で試し、動かなかった機能を書き出してから、改修で足りるのか更改が必要なのかを判断してください。

ご相談は、お電話が一番早いです

システムの内容・費用の目安・進め方まで、その場でお答えします

097-507-3082

不在時は折り返しご連絡します

この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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