期末にシステムを発注しても今期の経費にならない|自社開発・パッケージ・クラウドで分かれる資産計上と下期の投資時期

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決算の着地が見えてくる時期になると、「今期のうちに発注すれば経費で落とせますか」というご相談が増えます。結論から書きますと、発注日や支払日だけでは決まりません。同じ300万円でも、自社開発なのかパッケージなのかクラウドなのかで処理が分かれますし、一つの契約の中にも資産に入る費目と入らない費目が混ざっています。よく見かける取り違えを4つ挙げます。

「期末に発注すれば今期の経費になります」と考えてしまう

償却開始までの流れ

減価償却が始まるのは、契約した日でも支払った日でもなく、そのソフトウェアを事業の用に供した日からです。自社で利用するソフトウェアは無形固定資産として計上し、耐用年数5年で償却するのが原則になります(国税庁 No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数)。

起きる理由は、「支出」と「損金」が同じ言葉で語られているからです。3月決算の会社が2月に契約しても、稼働が4月にずれれば当期に落ちる金額はゼロになります。防ぐには、稼働日を先に固定して、そこから逆算して契約時期を決めます。

見積書が「業務システム一式」の1行で届く

見積内訳の依頼項目

総額だけの見積書を受け取ると、研修費や移行作業まで含めた全額がまとめて資産に計上されがちです。取得価額が10万円未満のものは損金に算入できますし、中小企業者等であれば30万円未満のものを年間300万円まで損金算入できる特例もあります(国税庁 No.5408。適用期限が設けられていますので、自社の決算期に使えるかは確認が必要です)。ただしオーダーメイドの開発費は桁が違いますので、分ける対象は金額ではなく費目になります。

見積の費目 原則の扱い 分けて確認すること
ソフトウェア本体・個別開発 無形固定資産に計上します 検収日と稼働日を確認します
初期設定・環境構築 取得価額に含まれることが多いです 本体と切り離せる作業かを確認します
データ移行 内容によって分かれます 移行する範囲と金額を確認します
操作研修・マニュアル 費用で処理できることが多いです 単独で金額が立つかを確認します
保守サポート 期間に応じた費用になります 契約期間と前払いの有無を確認します

見積依頼の時点で、次の形で送っておくと後が楽になります。

【見積書の内訳のお願い】
下記の費目ごとに金額を分けてご記載ください。
1. ソフトウェア本体(ライセンス費・開発費)
2. 個別カスタマイズ(追加する機能ごと)
3. 初期設定・環境構築
4. データ移行(対象範囲を明記)
5. 操作研修・マニュアル作成
6. 保守サポート(月額か年額か、契約期間)
あわせて、検収と稼働開始の予定日をご記入ください。

特に4番は金額が動きやすい費目です。どこまで持っていくかで総額が変わりますので、過去データの移行範囲は早めに決めておいてください。

あわせて読みたい新システムへのデータ移行費が見積もりで一番膨らむ理由|過去データをどこまで持っていくかの判断基準

クラウドに変えたので全部その期の経費、と決めてしまう

月額のクラウドサービスは、原則としてサービスを受けた期間の費用になります。ただし契約の中に、初期設定費、自社専用の個別開発、複数年分の前払いが混ざっていることがあります。「所有しないから資産にはならない」という理解が契約全体に及ぶと、ここを取り違えます。防ぐには、契約書と請求書で対価の中身を分けてもらいます。増えすぎたクラウドサービスを棚卸しするときに、契約単位で費目を書き出しておくと、決算前に慌てずに済みます。

あわせて読みたいバラバラに増えたクラウドサービスを1つにまとめるべきか|中小企業の「システムが多すぎる」問題

改修費をまとめて修繕費で落としてしまう

改修依頼の受付タグ

稼働後の改修は、不具合の修正や現状維持のためのものと、新しい機能の追加や性能の向上に当たるものとで扱いが分かれます。現場から上がる要望が「使いにくいので直してほしい」という一言にまとまり、発注書も1本になるため、後から切り分けられなくなります。受付の段階でタグを分けておきます。

# 改修依頼の受付タグ(発注書を分ける単位)
[fix]  不具合を直します     … 現行の仕様どおりに動いていません
[keep] 現状を維持します     … 法改正やOS更新に追随します
[add]  新しい機能を足します … これまでできなかった業務ができます
[perf] 性能を上げます       … 処理時間や同時利用数を改善します

発注書は [fix][keep] と [add][perf] の2本に分けて起こします。

下期に動くなら、決算月から償却できる月数を数えます

3月決算の償却月数

3月決算の会社が10月に稼働させれば当期は6か月分、2月なら1か月分です。ここで注意したいのは、償却月数を稼ぐために稼働を前倒しすると、テストと教育の時間から削られる点です。稼働日から逆算した期間の取り方を先に確認して、無理のない日程かを見てください。資金繰りと損益も分けて考えます。一括で支払っても損金は5年に分かれますし、クラウドは支払いが平準化される代わりに、5年分を合計すると自社開発を上回ることもあります。最終的な判断は、見積の内訳を持って顧問税理士に確認するのが確実です。

えらびの道では、卸売の受発注・請求、出張販売の管理、介護のシフト管理、ECサイトなどの業務システムをオーダーメイドで開発しています。見積の段階からソフトウェア本体・個別開発・データ移行・研修・保守を費目ごとに分けてお出ししますので、税理士の方に相談していただく材料がそのまま揃います。小さく作って動かしながら育てる進め方をとっていますので、機能を分割して稼働時期をずらす組み方もできます。データの可視化やレポートの自動化、機械学習による予測まで対応しています。

期末の発注と稼働時期の設計、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DXのご支援をしています。卸売の受発注や請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、EC・決済、業務データを集めて予測に使う基盤づくりなどを手がけてきました。見積書を出し、検収と稼働の日を決める側に立っています。

この記事で扱った費目の分け方も、御社の案件に合わせてお手伝いできます。本体と個別開発、初期設定、データ移行、研修、保守を分けた見積書、検収日と稼働日を先に固定して契約時期を逆算する日程、改修を不具合の修正と機能の追加で分けて起こす運用まで、一緒に決めていきます。税務上の最終的な扱いは、顧問税理士の方にご確認いただく前提です。

進め方としては、全部を一度に置き換えることはしません。止まると困る1業務から動かし、残りは様子を見ながら移していきます。稼働の単位が小さくなりますので、下期からでも年度内に動かせる範囲を見つけやすくなります。

まずは、御社の決算月と、動かしたい業務を伺うところからで構いません。えらびの道ではオンラインで30分ほどのご相談をお受けしており、費用はかかりません。

よくある質問

業務システムの開発費は何年で償却しますか?

自社で利用するソフトウェアは無形固定資産として計上し、耐用年数5年で償却するのが原則です。用途によって年数が変わりますので、まず自社利用に当たるかどうかを確認してください。償却の開始は事業の用に供した日からになります。

クラウドサービスの初期費用も資産計上が必要ですか?

月額の利用料は期間に応じた費用になりますが、初期費用は中身によって扱いが分かれます。単なる設定作業なのか、自社専用の個別開発が含まれるのかで変わりますので、契約書と請求書で費目を分けて記載してもらってください。

期末までに稼働が間に合わない場合はどうなりますか?

減価償却は事業の用に供した日から始まりますので、稼働が翌期にずれれば当期の償却費は発生しません。節税を理由に発注を急ぐよりも、稼働日を確定させてから逆算して契約時期を決める方が、結果として無駄が出にくくなります。

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この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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