
運送会社から荷待ちの待機料を請求されるようになった|大分の調味料メーカーが年末の出荷ピーク前に、トラックを待たせる原因を受注の締め時刻までさかのぼった4つの失敗
この記事の事例は、実際にいただくご相談をもとにした想定ケースです。特定の企業を指すものではありません。
8月分の運賃請求書に、これまでなかった「待機時間料」の行が付くようになりました。大分で醤油やたれを製造している会社を想定します。工場に来るトラックは、平時で1日10台前後です。12月には18台まで増えます。8月の1か月だけで、30分を超えて待たせた便が23件ありました。
待機時間料は、荷待ちに対する対価として標準貨物自動車運送約款に平成29年11月から定められている料金です。さらに物流効率化法によって、2025年4月からすべての荷主に、荷待ち時間を短くする努力義務が課されています。請求書に行が増えた背景には、こうした流れがあります。以下では、この会社が12月の出荷ピークまでにたどりそうな失敗を4つ取り上げます。
待機料の請求を見て、まず出荷場の人を増やしてしまいます
ドライバーが待たされているのは積込が始まる前なので、積む人が足りないように見えます。ところが1便ずつ時刻を記録してみると、待ち時間のほとんどは、ピッキングリストがまだ出ていない時間でした。当日の朝8時半に受注を締め直し、出荷指示が出るのは9時過ぎです。8時に着いたトラックは、それまで待つしかありません。
防ぐには、便ごとに4つの時刻を残し、待ち時間と作業時間を分けて見ます。月次決算の遅れを待ち時間と作業時間に分けた話と同じ考え方です。受付票に時刻を書いてもらい、出荷番号で出荷データと結び付ければ、それで足ります。
出荷日,出荷番号,運送会社,指示時刻,到着,受付,積込開始,積込終了
2026-08-19,S0819-07,A運輸,08:00,07:52,07:55,09:18,09:41
受注の締め時刻が「だいたい15時」のまま、例外を毎日受けています
締め時刻は社内の決まりとしてはあります。しかしシステムの上では区別されていません。15時を過ぎてから受けた電話やFAXの注文も同じ受注として入力され、翌朝の出荷に混ざります。8月の受注を入力時刻の順に並べると、翌日に出荷した分のうち2割近くが締め後に受けた注文でした。
防ぐには、受注データに入力時刻を持たせ、締め後の注文は翌々日の出荷を原則にします。どうしても翌日に出す取引先は、例外として名前で決めておきます。そのうえで、締め後の受注と待ち時間の関係を取引先ごとに集計します。
SELECT o.customer_code,
COUNT(*) AS late_orders,
AVG(s.wait_minutes) AS avg_wait_min
FROM orders o
JOIN shipments s ON s.order_id = o.id
WHERE o.ship_date BETWEEN '2026-08-01' AND '2026-08-31'
AND o.entered_at > TIMESTAMP(DATE_SUB(o.ship_date, INTERVAL 1 DAY), '15:00:00')
GROUP BY o.customer_code
ORDER BY late_orders DESC;
出荷予定を前日に出しても、当日の朝に作り直しています
前日の夕方の時点では、在庫の引当がまだ済んでいません。充填ラインで当日分の製品がいつ上がるか分からないため、朝に欠品しそうな品目を確かめてから、出荷指示を組み直すことになります。
防ぐには、前日17時の時点で、その時の在庫と夜までの製造予定をもとに引当を済ませ、その版を「確定」として固定します。確定のあとに入った変更は差分として別のリストで出し、積込の順番は動かしません。年末は誤出荷を防ぐための検品も増えます。検品のやり方はバーコード検品を入れるかどうかの判断と一緒に決めておくと、積込にかかる時間も読みやすくなります。
運送会社に到着時刻を伝えず、全部の便が朝8時に集まっています
各社には「午前中に来てください」としか伝えていないため、どの会社も早めに着きます。荷待ち時間の算定方法では、指示した時刻より前に着いた便は、指示時刻から待ち時間を数えます。時刻を指示していなければ、着いた時点から待ち時間として数えられます。
防ぐには、前日に確定させた出荷予定から方面別の積込枠を30分刻みで割り振り、17時半に各社へ送ります。協力会社への手配を電話とFAXで回している場合は、先に傭車の手配を実績データとして残すところから始めてください。そうすると、枠の連絡もその仕組みに載せやすくなります。
4つの失敗を、原因がある時点で並べ直します
| 失敗 | 原因がある時点 | 前日までに決めること |
|---|---|---|
| 出荷場の人を増やしてしまう | 出荷指示を出す当日朝の時点 | 到着から積込終了までの4つの時刻を残すこと |
| 締め後の注文を翌日に混ぜている | 受注を入力した時点 | 締め後の注文を翌々日に回す原則と例外先を決めること |
| 出荷予定を朝に作り直している | 前日夕方に在庫を引き当てる時点 | 前日17時の版を確定として固定すること |
| 全部の便が同じ時刻に集まる | 運送会社へ依頼を出す時点 | 方面別の積込枠を前日に送ること |
並べてみると、待機料の原因は積込の現場ではなく、前日の受注と引当の段階にあることが分かります。12月は台数が倍近くに増えるので、10月のうちに時刻の記録と前日の確定だけでも試しておくと、11月には枠の割り振りまで進められます。
えらびの道では、卸売の受発注・請求をはじめ、業務システムをオーダーメイドで開発してきました。今回のような場合は、受注データに入力時刻と締め後の区分を足す改修や、前日の決まった時刻に引当を済ませて出荷予定を固定する処理を、いまお使いの販売管理のデータを生かしたまま作ることができます。到着時刻と積込時刻を出荷番号と結び付けて待ち時間を集計する画面も作れます。最初は時刻の記録と集計だけを作り、年末の出荷の様子を見ながら積込枠の割り振りへ広げていく、という小さく始める進め方をとっています。
荷待ちを受注の締めから見直す仕組みまで、えらびの道でお手伝いできること
合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DX支援を本業にしている会社です。卸売の受発注・請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、業務データの収集と予測基盤など、現場で使うシステムを実際に作って動かしてきました。
この記事で取り上げた、受注データに入力時刻を持たせる仕組みや、締め後の注文を区別する仕組みは、御社の受注の流れに合わせて組み立てられます。便ごとの到着・受付・積込の時刻を出荷番号で結び付け、取引先ごとに待ち時間を集計する仕組みも、今お使いの受注の形に合わせてご用意できます。
進め方としては、全部を一度に置き換えることはしません。受注の締め時刻の区別のように、止まると困る受注まわりの1業務から動かし、残りは様子を見ながら移していきます。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当するため、出荷場や受注担当の方から伺った事情を、そのまま仕組みに反映できます。
12月の出荷ピークに向けて、どこから手を付けるか迷われている段階でもかまいません。えらびの道へのご相談はオンラインで30分、費用はかかりません。記録の取り方を一緒に整理するところから始められます。
よくある質問
荷待ちの待機料は荷主が払わなければいけないのですか?
待機時間料は、標準貨物自動車運送約款で荷待ちへの対価として定められた料金です。運送会社との契約や運賃料金表に載っていれば、請求の根拠になります。まずは契約の内容を確かめ、請求の元になった到着時刻と積込開始時刻の記録を運送会社と突き合わせることから始めてください。
荷待ち時間はどの時刻から数えるのですか?
物流効率化法の算定方法では、到着時刻を指示していない場合、着いた時刻から荷役を始めるまでを数えます。指示した時刻より前に着いた場合は指示時刻から数えます。そのため、積込の時刻枠を前日に伝えておくことが、待ち時間を正しく測る前提になります。
出荷予定を前日に確定させるには、システムを入れ替える必要がありますか?
入れ替えなくても始められる場合が多いです。受注の入力時刻を残すこと、前日の決まった時刻に在庫を引き当てて版を固定すること、確定後の変更を差分として出すことの3つが揃えば回ります。いまの販売管理のデータに小さな仕組みを足す形でも対応できます。
この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。
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