ふるさと納税の返礼品が在庫を超えて申し込まれ、年明けまで発送が遅れた|大分の水産加工会社が冷凍在庫から自社通販と定期便の出荷分を引いて12月の受付上限を決め直した経緯

ふるさと納税在庫管理受注管理大分

この記事の事例は、実際にいただくご相談をもとにした想定ケースです。特定の企業を指すものではありません。

大分県内でブリやサバの漬け丼セットと干物を作っている、従業員30名ほどの水産加工会社を想定します。売り先は3つあります。自社の通販サイトと毎月届く定期便、それに地元の市のふるさと納税の返礼品です。昨年の12月、返礼品の申込が冷凍庫の在庫を超え、最後の約400件の発送が1月下旬までずれ込みました。寄附者からの問い合わせは市の担当課に届き、市から会社へ確認の電話が何度も入りました。

昨年は12月20日を過ぎてから、冷凍庫の残りが足りないと分かりました

受付数の見直し

ポータルサイトでは返礼品ごとに受付数を設定できます。会社は11月に「2,000セット」と市へ伝えていました。ただしこの数字は前年の寄附件数に少し上乗せしたもので、冷凍庫の在庫から出したものではありませんでした。12月に入ると、自社通販の年末セールの分と定期便の12月分が同じ在庫から出ていきました。12月20日の棚卸しで、返礼品に回せる分が約300セットしか残っていないと分かりました。年末年始は加工場を止めるため、足りない分の製造は1月の第2週からになりました。

寄附の期間・返礼品の基準・発送時期は、決めているところがそれぞれ違います

受付上限を考える前に、返礼品まわりの決まりを誰が決めているかで分けておきます。そうすると、会社が動かせる数字と動かせない数字がはっきりします。

項目 定めているもの 在庫と受付上限に関わる点
控除の対象になる寄附の期間 税制(1月〜12月の寄附を1年分として計算するもの) 12月31日までの寄附に申込が寄る点
返礼割合3割以下・地場産品 総務省の指定制度の基準 在庫に合わせて原料や中身を差し替えにくい点
受付数と受付停止の設定 自治体とポータルサイトの運用 会社が直接止められるかどうかが自治体ごとに違う点
発送時期の表示と期限 自治体の募集要項と事業者との取り決め 「年内発送」と表示して受けた件数を後から減らせない点

総務省の「税金の控除について」にあるとおり、控除は1年間(1月〜12月)の寄附の合計で計算されます。そのため、駆け込みの寄附が12月後半に集まります。返礼割合を3割以下にすることや返礼品を地場産品に限ることは、総務省の指定制度の基準で決まっています。在庫が足りないからといって県外産の原料に替えると、この基準に触れるおそれがあります。基準は告示の改正で年度ごとに見直されています。受付を始める前に、その年の告示と市の要項で数字を確かめてください。

冷凍在庫は、自社通販・定期便・返礼品の3つで同じものを使っています

売り先ごとの在庫の引き方

3つの売り先では、在庫を押さえるタイミングがそろっていませんでした。

売り先 在庫を押さえるタイミング 昨年の扱い
自社通販 注文を受けたタイミング 出荷した日に在庫から引く扱い
定期便 契約したタイミング(先の月の分まで) 毎月の出荷日まで在庫から引かない扱い
ふるさと納税 寄附が確定したタイミング 週1回の一覧の取り込みで在庫から引く扱い

在庫表の数字は「冷凍庫にある数」でした。ところがその中には、定期便の12月分と1月分、受付済みでまだ送っていない返礼品の分が含まれていました。どちらもすでに行き先が決まっている在庫です。それを差し引かないまま受付数を決めたことが、昨年の遅れの原因でした。同じ在庫を複数の売り先で取り合うときの引当の考え方は、受注引当と発注点の記事でも扱っています。

あわせて読みたい在庫表には数があるのに部品が足りない|受注引当と発注点を年末年始の休業前に決める手順

12月の受付上限は、先に約束した出荷分を引いた残りで出しました

受付上限の出し方

今年は11月25日時点の数字を使い、次の式で上限を出しました。

12月の受付上限(セット換算)
  = 冷凍在庫                              2,400
  + 12月中に加工できる見込み(少なめに見る)    600
  − 自社通販の12月出荷見込み                  900
  − 定期便の12月・1月出荷分(240件×2回)       480
  − 受付済みで未発送の返礼品                  350
  − 破損・再送に備える分                      120
  = 1,150

定期便は1月分まで引きました。年末年始は加工を止めるので、1月の初回便は12月中に作った分から出すことになるためです。加工できる見込みは漁の状況で変わります。そこで、過去3年の12月のうち一番少なかった年の数字を使いました。結果として受付数は昨年の2,000から1,150に下がりました。あわせて市と相談し、「12月15日までの寄附は年内発送、それ以降は1月中旬発送」と表示を分けてもらいました。

上限は一度で決めきらず、毎週月曜に引き直しています

毎週月曜の引き直し

式の中の数字のうち、通販の出荷見込みと加工の見込みは週ごとに変わります。そこで毎週月曜の朝に、通販の受注・定期便の契約・ポータルの寄附一覧を1つの表に取り込み、売り先ごとの引当数と残りを並べるようにしました。残りが受付数を下回った週は、その日のうちに市の担当者へ受付数の変更を連絡します。ポータルの設定を会社が直接変えられない自治体では、連絡してから反映されるまでに数日かかることがあります。連絡の締め日もあらかじめ決めておきました。贈答期の注文をデータで受ける方法はお歳暮の送り先リストの記事で、ロットと賞味期限の持ち方はトレーサビリティの記事で書いています。

えらびの道は、卸売の受発注・請求、出張販売の管理、介護のシフト管理、ECサイトなどの業務システムをオーダーメイドで開発しています。今回のように在庫を取り合う場面では、自社通販・定期便・ポータルの寄附一覧を取り込んで売り先ごとの引当数を並べる集計と、受付上限を毎週出し直すレポートの自動化をお手伝いできます。加工の見込みや通販の出荷数を過去のデータから予測したい場合も、まず手元のCSVで一度集計し、動かしながら項目を足していく進め方をとっています。

返礼品の受付上限と在庫の管理まで、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DXの支援を本業にしている会社です。卸売の受発注・請求、出張販売の管理、EC・決済、業務データの収集と予測基盤などを、現場で使われるシステムとして作ってきました。

この記事の会社のように、自社通販・定期便・ふるさと納税の返礼品で同じ冷凍在庫を使っている場合は、行き先が決まった分を引いた在庫を一つの画面で見られる仕組みが役に立ちます。売り先の数や返礼品の一覧の取り込み方に合わせて、御社向けに作ることができます。定期便の先の月の分や、受付済みでまだ送っていない返礼品の分を引いたうえで、12月の受付上限を出す計算も組み込めます。

進め方は、全部を一度に置き換えるのではなく、止まると困る1業務から動かします。たとえば在庫の引き当てだけを先に整え、受注や出荷の管理は様子を見ながら移していきます。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当するため、打ち合わせで伺った事情をそのまま開発に反映できます。

受付数の決め方や在庫表の作り方で迷っていることがあれば、えらびの道にご相談ください。オンラインで30分、費用はかからずにお話を伺います。

よくある質問

ふるさと納税の返礼品の受付数はどうやって決めればよいですか?

冷凍庫などの在庫数をそのまま使わないことが大切です。自社通販の出荷見込み、定期便ですでに契約している出荷分、受付済みで未発送の返礼品、破損や再送に備える分を引いた残りで決めると安全です。加工できる見込みは少なめに見積もり、週に1回は数字を引き直してください。

ふるさと納税の寄附が12月に集中するのはなぜですか?

寄附金の控除が、1月から12月までの1年間の寄附の合計で計算されるためです。その年の控除に間に合わせようとする寄附が12月後半に集まります。返礼品を出す事業者は、12月の在庫と発送の計画を11月のうちに固めておく必要があります。

返礼品の在庫が足りないとき、ほかの産地の原料で代用できますか?

返礼品が地場産品であることは、総務省の指定制度の基準になっています。県外産の原料に替えると、この基準に触れるおそれがあります。基準は年度ごとに見直されるため、代用を考える前に寄附先の自治体の担当課に確認してください。受付数を減らしたり発送時期を延ばしたりして対応するほうが確実です。

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この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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