
台風で停電した翌日、バックアップはあるのに業務が戻らない|社内サーバーを残すか外へ逃がすかの判断基準
停電は6時間で終わったのに、翌朝の受注が入らない
台風が抜けて電気は戻った。バックアップ用の外付けHDDも無事だった。それなのに翌朝、受注入力の画面が開かない。よくあるのはこの組み合わせです。
- UPSは15分しかもたず、サーバーは通電のまま強制断になった
- 起動はするがRAIDの再構築中で、終わるまで8時間かかる
- バックアップは前日22時の断面。停電当日の日中に入力した48件は残っていない
- 復元先の予備機がなく、同型のハードが手に入るのは3日後
- 会計ソフトの認証がインターネット必須で、回線が復旧するまで起動できない
止まっているのはデータではありません。データを動かす場所と、動かす手順です。
バックアップが守るのはデータで、業務ではない
業務を再開するには、①データ ②動かす機械 ③つなぐ回線 ④入れ直す手順 ⑤作業する人、の5つが要ります。バックアップが担保しているのは①だけです。②〜⑤が揃っていない会社では、データが100%残っていても復旧は数日単位になります。
まず、業務ごとに「何時間止まると誰が困るか」を書き出します。ここが決まらないと、いくらかけるべきかも決まりません。
業務名 / 困る相手 / 許容停止時間 / 代替手段 / 復旧に必要なもの
受注入力 / 取引先・営業 / 4時間 / FAXと紙の受注票 / サーバー・社内LAN・担当1名
出荷指示 / 倉庫 / 4時間 / 前日出力の一覧 / プリンタ・電源
請求書発行 / 経理・取引先 / 3日 / なし / サーバー・会計ソフトの認証
勤怠打刻 / 全社員 / 1日 / 紙のタイムカード / クラウド(停電と無関係)
止まると困る順に並べる考え方は、お盆休みで止まる業務こそ、システム化の優先順位が一番高い理由と同じです。
社内サーバーを残すか、外へ逃がすか|復旧時間と費用の比較
| 方式 | 停電翌日に戻る目安 | 初期費用の目安 | 月額の目安 | 向く条件 |
|---|---|---|---|---|
| 現状(社内サーバー+外付けHDD) | 3〜7日 | 0円 | 0〜3千円 | 1週間止まっても金銭損失が出ない業務のみ |
| 社内サーバー+UPS+別拠点にバックアップ保管 | 1〜3日 | 15〜40万円 | 0〜5千円 | 現場の機器と直結していて外に出せない業務 |
| 社内で動かし、待機系をクラウドに置く | 数時間〜1日 | 20〜60万円 | 1〜3万円 | 受注・出荷が1日止まると取引先に影響する |
| 業務システム自体をクラウドへ移す | 停電中でも別拠点から継続 | 移行費用 | 1〜5万円 | 特定の機器やLANに縛られていない業務 |
金額は10〜30人規模で見かける範囲の目安です。判断材料は月額ではなく、上の表の右端と、さきほど書き出した許容停止時間の突き合わせになります。
条件別に、どれを選ぶかの結論
受注・出荷が半日以上止まると取引先に響く → 待機系をクラウドに置く。全面移行より安く、切り替え先が常にある状態を作れます。
計量器・レジ・CAD・生産設備と直結している → 全部を外に出すのは無理です。機械は現地に残し、データと基幹の帳票だけ外に持たせます。
社員10人以下で情シスがいない → 自社で復旧作業をする前提を捨てます。復旧に人手が要らない構成を選ぶほうが確実です。
1日止まっても金銭損失が出ない → 現状のままで構いません。ただし後述の復元テストだけは年1回やります。
逃がし先をサービスごとに増やすと、今度は管理の窓口が増えます。この見極めはバラバラに増えたクラウドサービスを1つにまとめるべきかに書いたとおりです。
「戻せる」と言えるのは、戻したことがある会社だけ
バックアップが取れていることと、戻せることは別です。年1回、本番と違う機械に実際に戻してみると、たいてい何かが引っかかります。
実施日: 2026-08-05
対象: 受注データ(前日22時のバックアップ)
戻した先: 予備PC(本番と別機種)
結果: 復元10分 / 起動NG → ライセンス再認証がネット接続必須で進めず
宿題: 認証キーの控えを別拠点に保管 / オフライン認証の可否をベンダーに確認
この記録が1枚あるかどうかで、次の台風の翌朝が変わります。なお復旧待ちの数日を紙とExcelで回すと、システムが戻ってもそのまま紙に定着することがあります(業務システムが定着せず現場がExcelに戻る4つの理由)。復旧計画には「元の運用に戻す日」まで書いておきます。
えらびの道では、卸売の受発注・請求、出張販売の管理、介護のシフト管理、ECサイトなどの業務システムをオーダーメイドで開発しています。停電やサーバー障害に備える場面では、業務ごとの許容停止時間の洗い出し、待機系をクラウドに置く構成の設計、復元テストの手順づくりまでを一緒に進めます。データの可視化やレポートの自動化、リアルタイムなデータ収集基盤の構築にも対応しています。いきなり全面移行はせず、止まると一番困る1業務から小さく作って動かしながら広げる進め方をとっています。
停電しても業務が戻る形にするまで、えらびの道でお手伝いできること
合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DXのご支援をしています。卸売の受発注や請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、EC・決済、業務データを集めて予測に使う基盤づくりなどを手がけてきました。業務システムを動かし続ける側にいる立場から、現場で起きていることをお伝えしています。
この記事で挙げた判断についても、御社の業務に合わせたかたちでお手伝いできます。受注入力や出荷指示、請求書発行が何時間止まると誰が困るかの書き出し、社内サーバーを残す・待機系をクラウドに置く・システムごと移すの比較、機器と直結していて外に出せない部分の切り分け、復元テストの手順づくりまで、今の構成を見ながら一緒に決めていきます。
進め方としては、全部を一度に置き換えることはしません。止まると困る1業務から動かし、残りは様子を見ながら移していきます。停電のたびに慌てる状態を、一度の入れ替えで解こうとしないためです。
まずは、今回の停電で何が何時間止まったのかを伺うところからで構いません。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当します。えらびの道ではオンラインで30分ほどのご相談をお受けしており、費用はかかりません。
よくある質問
停電後にバックアップから復元するには何日かかりますか?
予備機がなく業者の手配から始める場合、広域災害では3〜7日かかることがあります。復元先の機械と手順が用意してあれば数時間から1日です。かかる日数を決めるのはバックアップの中身ではなく、戻す先が確保されているかどうかです。
中小企業でもUPS(無停電電源装置)は必要ですか?
サーバーやNASを社内に置いているなら必要です。ただしUPSの目的は停電中の業務継続ではなく、安全に電源を落としてデータ破損を防ぐことです。数万円で買える機器ですが、これだけで翌日の復旧が早くなるわけではありません。
社内サーバーはクラウドに移したほうがいいですか?
計量器やレジ、生産設備と直結していない業務なら、移すほうが停電に強くなります。現場の機器に縛られている場合は全面移行はできないため、社内で動かしつつ待機系をクラウドに置く併用が現実的です。許容停止時間から逆算して決めてください。
この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。
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