
うちは「従業員36人以上」に当たるのか誰も数えていない|2027年10月の社会保険の適用拡大に向けて、来年度予算に載せるパートの会社負担を勤怠と雇用契約のデータから見積もる【Q&A】
「36人以上」は、パートも含めた人数で数えるのですか
数えるのは、パートを含めた在籍人数ではありません。厚生年金保険の被保険者の数です。週30時間ほど働いていてすでに社会保険に入っているパートは数に入ります。週20時間台で未加入のパートは入りません。70歳以上の人も厚生年金の被保険者ではないので、数に入りません。法人なら、同じ法人番号を持つ事業所をすべて合算します。日本年金機構の特定適用事業所の手続きでは、令和9年10月から「被保険者数36人以上」の企業が対象になると示されています。
人数が月によって上下する会社は、どの月で数えるかも大事になります。日本年金機構のFAQでは、直近12か月のうち6か月以上で基準を超えると見込まれる場合を「常時」超える状態としています。2027年10月の時点で直近12か月に入るのは、今月(2026年10月)以降の月です。資格を取った日と失った日が給与システムに残っていれば、月ごとの人数は次のように出せます。
-- 各月末時点の厚生年金被保険者数(法人内の全事業所を合算)
SELECT m.ym,
COUNT(e.employee_id) AS insured_count
FROM months m
JOIN employees e
ON e.pension_acquired_on <= m.month_end
AND (e.pension_lost_on IS NULL OR e.pension_lost_on > m.month_end)
WHERE e.insured_type = 'general' -- 短時間労働者として加入した人は除く
GROUP BY m.ym
ORDER BY m.ym;
新しく加入するパートは、雇用契約と勤怠のどちらで拾えばよいですか
最初に見るのは雇用契約の所定労働時間です。あわせて、勤怠の実績と照らし合わせます。賃金の要件(月額8.8万円以上)は2026年10月に撤廃されました。そのため、残る条件は週20時間以上の所定労働時間、2か月を超える雇用見込み、学生でないことの3つです(厚生労働省の適用拡大Q&A)。
| 確かめること | 取り出すデータ | ずれが出やすい場合 |
|---|---|---|
| 週の所定労働時間 | 雇用契約の所定時間 | 契約は週16時間のまま、シフトだけ増えている場合 |
| 実際の労働時間 | 勤怠の打刻 | 所定を超える勤務が何か月も続いている場合 |
| 学生かどうか | 採用時の申告 | 卒業や休学で区分が変わった場合 |
| 介護保険料の有無 | 生年月日 | 年度の途中で40歳になる場合 |
| 標準報酬月額の元 | 給与の所定内賃金と通勤手当 | 通勤手当を計算から外している場合 |
来年度の予算には、会社負担をいくら載せればよいですか
1人ずつ標準報酬月額に料率の半分を掛けて足し上げます。大分県の協会けんぽの場合、令和8年度の健康保険料率は10.08%です。これに子ども・子育て支援金率の0.23%と、保険料額表にある厚生年金の18.3%を加え、労使で折半します。
月給11万円のパートなら、標準報酬月額は11万円です。会社負担は月におよそ15,700円になります。40〜64歳の人は、これに介護保険料率1.62%の半分が加わります。4月始まりの会社なら、来年度に載るのは2027年10月から2028年3月までの6か月分です。10人が加入すると、およそ94万円になります。翌年度は12か月分になるので、およそ189万円まで増えることも、あわせて示しておきます。給与の水準をどう配るかは、来年度予算の月別の配り方と同じ考え方で整理できます。
保険料調整制度を使えば、会社負担は増えないのですか
保険料調整制度は、標準報酬月額12.6万円以下の短時間労働者について、本人の保険料を3年間軽くする仕組みです。軽くした分は、事業主がいったん上乗せして納めます。上乗せ分は3か月後の保険料から差し引かれるため、最終的な会社負担は増えません。ただ、納付額は先に膨らみます。そのため、予算とは別に資金繰りの表には反映させておきます。申出の期限は対象事業所のページで確認できます。
加入を避けて時間を減らす人が出たら、見積もりはどう変わりますか
保険料は減ります。その代わり、減った時間を誰が埋めるかという人件費の問題が新たに出てきます。全員が加入する場合と、希望者が週20時間未満に下げる場合の2通りを試算し、減った時間をシフトの不足として数えます。年収の見込みをシフト画面で見せる方法は、扶養を超えるパートの年収見込みの記事で扱っています。
えらびの道では、介護のシフト管理や卸売の受発注・請求などの業務システムをオーダーメイドで作っています。今回のテーマでは、給与・勤怠・雇用契約のデータをつないで、被保険者数の月次推移や加入対象者の一覧、会社負担の試算を出す集計を作るところをお手伝いできます。最初は月次のCSVを読み込んで集計する小さな形で始め、料率の改定や対象人数の変化に合わせて手を入れていく進め方をとっています。
人数の数え方から会社負担の見積もりまで、えらびの道でお手伝いできること
合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発とデータ活用・DX支援を行っている会社です。卸売の受発注や請求、介護のシフト管理、出張販売の管理など、日々の業務で使われる仕組みを実際に作ってきました。
今回の適用拡大に向けて、御社のデータに合わせて2つの仕組みを用意できます。1つは、給与システムに残る資格の取得日と喪失日から、月ごとの被保険者数を出す集計です。もう1つは、雇用契約の所定労働時間と勤怠の打刻を突き合わせて、加入の対象になりそうなパートを拾う一覧です。標準報酬月額をもとに会社負担を試算し、来年度の予算に載せやすい形にまとめるところまでお手伝いします。
進め方としては、全部を一度に作り込むことはしません。まず人数の確認のように期限が迫っている業務を1つ動かし、残りは様子を見ながら広げていきます。打ち合わせから開発まで同じ担当者が受け持つので、勤怠や給与の細かな事情を途中で別の人に説明し直す必要はありません。
「うちは36人に当たるのか」を数えるところから始めても構いません。オンラインで30分、費用はかかりませんので、えらびの道までお気軽にご相談ください。
よくある質問
社会保険の適用拡大で、従業員36人以上かどうかは何で判断しますか?
パートを含めた在籍人数ではなく、厚生年金保険の被保険者数で判断します。法人の場合は同じ法人番号の事業所をすべて合算します。直近12か月のうち6か月以上で基準を超えると見込まれるかどうかで決まり、2027年10月の判定には2026年10月以降の月が使われます。
賃金要件がなくなると、週20時間以上のパートは全員が社会保険の対象になりますか?
2026年10月に月額8.8万円の賃金要件はなくなりました。週20時間以上の所定労働時間、2か月を超える雇用見込み、学生でないことを満たせば対象になります。ただし、勤め先が企業規模の要件に当てはまっていることが前提になります。
パートが社会保険に入ると、会社負担は1人あたりいくら増えますか?
標準報酬月額に健康保険料率、子ども・子育て支援金率、厚生年金保険料率を足した率を掛け、その半分が会社負担になります。大分県の協会けんぽで月給11万円の人なら、月におよそ15,700円です。40〜64歳の人には介護保険料の半分が加わります。
この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。
あわせて読みたい
7月に昇給した人の社会保険料が10月に変わることを誰も追っていません|月額変更届の対象を固定的賃金の変動と2等級差から給与データで拾い、1月の遡及徴収を防ぐ範囲【Q&A】
7月の昇給から3か月後、10月分から社会保険料が変わります。月額変更届の対象者を固定的賃金の変動と2等級差で給与データから拾い、届出漏れによる1月の遡及徴収を防ぐ範囲をQ&A形式で整理しました。
有休の年5日が誰にあと何日残っているか、期限の直前まで分かりません|入社日ごとに違う基準日と時間単位年休を、下期のうちに勤怠データから年休管理簿へ寄せる手順
年10日以上付与された人に年5日を取得させる義務は、基準日が入社日ごとに違うと残日数が一覧になりません。勤怠データから年次有給休暇管理簿を作る段取りと、時間単位年休の数え方をまとめました。
時間外の集計が翌月にしか出ないから36協定の上限に気づけない|年720時間と月45時間超の残り回数を、9月末までに勤怠データから月中に出す
残業の集計が翌月にしか出ないと、36協定の月45時間超が何回目かを誰も把握できません。産業機械メーカーの想定ケースで、年720時間の年度累計と45時間超の残り回数を勤怠データから月中に出すまでをまとめました。

