業務システムが定着せず現場がExcelに戻る4つの理由|導入前に見落とされること

業務システムシステム導入業務改善

稼働から3か月ほど経った現場に行くと、システムの画面と並んでExcelが開いている。半年後には、Excelだけが残っている。業務システムの導入では珍しくない光景です。

原因を「機能が足りなかった」に求めると、たいてい追加開発をしても状況は変わりません。定着しなかった現場を後から振り返ると、失敗はほぼ導入前、それも要件定義の入り口で決まっています。

「例外は運用でカバーします」と決めたまま、例外が何件あるか数えていない

直近3か月の受注612件

要件定義の場で必ず出る言葉です。そして稼働後、その「例外」が業務の3割を占めていたことが分かります。標準フローに乗らない案件をシステムに入れるには、回避操作を5つ覚える必要がある。現場は当然、Excelに戻ります。

なぜ起きるか。ヒアリングは「普段の流れを教えてください」という聞き方になり、例外は質問されない限り出てきません。さらに、日常的に例外対応をしている担当者ほど、それを例外だと認識していません。本人にとっては普段の仕事です。

防ぐ方法は単純で、直近3か月の実データを数えることです。印象ではなく件数で出します。

【直近3か月の受注 612件の内訳】
標準フロー(システム想定どおり)      418件  68%
その場で価格を調整した                 96件  16%
納期変更が電話で入った                 61件  10%
同一伝票内で請求先が分かれた           37件   6%

3割を超える例外は、もう例外ではありません。標準機能として設計する対象です。

入力の手間が増える人と、楽になる人が別々になっている

負担と効果の非対称

システムに10項目入力してもらえば、管理部門の月次集計は2日から10分になります。一方で入力する現場は、1件あたり40秒増えました。月200件なら2時間強。現場にとって、このシステムは純粋な負担増です。

導入の目的が「集計の効率化」で設定され、効果測定も集計側で行われるため、この非対称は最後まで表に出てきません。稼働後のアンケートで「特に問題ありません」と返ってきたのに使われない場合、ここを疑う価値があります。

対策は、入力する人にも何かが返る仕組みを1つ入れることです。前回の取引条件を自動で引く、単価と数量から金額を自動計算する、翌日の配送先一覧が出る。入力項目ごとに「これは誰のための項目か」を書き出し、入力者本人に返らない項目が7割を超えるなら、設計を見直す段階です。

Excelの「余白」— メモ・色・並べ替え — が仕様から落ちている

Excelをそのまま預かる

現場のExcelには、セルの端に「※先方担当変更、来週再確認」と書かれていたり、確認待ちの行が黄色くなっていたり、担当者ごとに並べ替えたシートが個別に保存されていたりします。仕様書には一切登場しませんが、現場の判断の大半はここに乗っています。

要件定義は「項目」と「処理」の言葉で進むため、メモや色はデータとして扱われず、そのまま消えます。結果、「システムに入れた後、結局Excelにも書き写している」状態が生まれ、二重入力に耐えられなくなった時点で片方が捨てられます。捨てられるのはシステムのほうです。

防ぐには、現在使っているExcelファイルを加工せずそのまま預かること。色、コメント、非表示列、フィルタの設定まで含めてです。「このセルはなぜ黄色いのか」を一つずつ聞いていくと、ステータス、フラグ、備考欄として設計すべきものが具体的に出てきます。

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稼働後に直す枠がないので、最初の不満が3か月放置される

2時間の修正に2か月

稼働1か月目に「この画面、毎回3クリック余計にかかる」という声が出ます。修正自体は2時間の作業でも、見積もり依頼から稟議、発注までで2か月。その2か月のあいだに現場はExcelへ退避し、そのまま戻りません。

業務システムの要件は、稼働してからでないと確定しない部分が必ず残ります。にもかかわらず、予算と契約が「納品して完了」の形になっていると、確定した要件を反映する手段がなくなります。

初年度予算の15〜20%を稼働後6か月の修正枠として最初から確保し、「作業2時間以内の修正は都度見積もりなしで着手」といった運用ルールを合わせて決めておく。これだけで、最初の不満が定着する前に潰せます。

戻った現場と、使われ続けている現場の違い

観点 Excelに戻った現場 使われ続けている現場
例外の扱い 「運用でカバー」と口頭で合意 直近3か月の件数を数え、3割超は標準機能として実装
入力者への見返り 集計担当だけが楽になる 自動計算・過去実績の参照が入力者にも返る
過去データ 移行せず、旧Excelを参照用に残す 直近1〜2年分を移行し、旧ファイルは書き込み禁止にする
稼働後の修正 都度見積もりと稟議で1〜2か月 初年度予算の15〜20%を修正枠として確保
利用状況の把握 「使えてますか」と口頭で聞く 画面別・ユーザー別の操作ログを月次で確認

最後の行が効きます。定着しているかどうかは自己申告では分からないので、操作ログを見ます。

-- 稼働3か月目:使われていない画面と、入力が止まっている部署を出す
SELECT
  u.department,
  a.screen_name,
  COUNT(*)          AS actions,
  MAX(a.created_at) AS last_used
FROM   action_logs a
JOIN   users u ON u.id = a.user_id
WHERE  a.created_at >= CURRENT_DATE - INTERVAL '30 days'
GROUP  BY u.department, a.screen_name
ORDER  BY actions ASC;  -- 少ない順=Excelに戻っている可能性が高い箇所

件数がゼロに近い画面が、現場が諦めた機能です。理由を聞きに行く先がここで特定できます。

実装で手伝えること

えらびの道では、卸売の受発注・請求、出張販売の管理、介護のシフト管理、ECサイトなどの業務システムをオーダーメイドで開発しています。この記事の内容でいえば、要件定義に入る前に現在お使いのExcelファイルと直近数か月の実データをそのまま預かり、例外が全体の何割を占めているかを数えるところから始めます。データの可視化やレポートの自動化に加え、機械学習による予測やリアルタイムなデータ収集基盤まで対応しており、稼働後は操作ログを見ながら使われていない画面を特定して直していきます。最初から全部を作らず、小さく作って動かしながら育てる進め方をとっているため、稼働後に出てくる修正を前提に計画を組むことができます。

業務システムが現場に定着するまで、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DXのご支援をしています。卸売の受発注や請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、EC・決済、業務データを集めて予測に使う基盤づくりなどを手がけてきました。実際に要件を伺って作る立場から、現場で起きていることをお伝えしています。

この記事で挙げた導入前の見落としについても、御社の業務に合わせたかたちでお手伝いできます。直近の伝票を実際に数えて例外がどれだけあるかを出すところ、入力する人に前回の取引条件や翌日の配送先が返る画面の設計、いま使われているExcelのメモや色を預かって項目に起こす作業まで、受発注や請求といった御社の業務に沿って進めます。

進め方としては、全部を一度に置き換えることはしません。止まると困る1業務から動かし、残りは様子を見ながら移していきます。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当しますので、稼働後に出てきた「毎回3クリック余計」といった声も、そのまま次の直しにつなげられます。

まずは、いまExcelに戻ってしまっている業務がどれなのかを伺うところからで構いません。えらびの道ではオンラインで30分ほどのご相談をお受けしており、費用はかかりません。

よくある質問

導入した業務システムが使われていません。今からでも立て直せますか?

まず操作ログで、利用件数がゼロに近い画面と、入力が止まっている部署を特定します。そのうえで、例外処理・入力者の負担・Excelの余白のどれが引っかかっているのかを現場に聞きに行きます。原因を特定しないまま機能を追加しても、状況が変わらないことが多いためです。

例外処理までシステム化すると、開発費が高くなりませんか?

まず直近3か月の実データで件数を数えます。例外が全体の3割を超えるようであれば、それはもう標準機能として設計する対象です。件数の少ないものまで作り込む必要はありませんが、数えないまま一括で「運用でカバー」と決めてしまうほうが、後の手戻りとして高くつきます。

稼働後の修正費用は、契約や見積もりにどう入れておけばいいですか?

発注前であれば、初年度予算の15〜20%を稼働後の修正枠として見積もりに含められるか相談する余地があります。あわせて、軽微な修正は都度見積もりなしで着手できるかも確認しておくと、現場の不満が出てから直るまでの待ち時間を短くできます。

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097-507-3082

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この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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