免税事業者からの仕入税額控除が2026年10月に50%へ|取引先区分を会計・購買データでどう持つか

インボイス制度会計データ業務システム

この記事の事例は、実際にいただくご相談をもとにした想定ケースです。特定の企業を指すものではありません。

2026年10月1日から、適格請求書発行事業者以外(免税事業者など)からの仕入れについて、控除できる消費税は80%から50%に下がります。残り2か月弱で最初につまずくのは、税額の計算ではありません。「うちは、どの取引先が対象で、いくらあるのか」を数えるところです。大分県中津市の内装工事会社(従業員28名、年商6.2億円)が、この4か月で何を変えたかを追います。

決算後の試算で、年117万円の穴が見つかった

控除額の年間差

3月決算のこの会社では、5月の決算報告の場で税理士から「10月から50%になります」と告げられました。年間の外注費は税込1億8,000万円。そのうち登録番号のない支払先への金額を聞かれ、社長も経理も即答できませんでした。

経理が支払データを洗い直すのに3営業日。出てきたのは税込4,300万円で、消費税相当は約391万円です。控除できるのは80%なら313万円、50%なら196万円。差は年117万円、月にして10万円弱。経常利益2,800万円の約4%が、何もしなくても消える計算でした。

支払先の一覧を出したら、同じ一人親方が3行に分かれていた

支払先の名寄せ手順

3営業日かかった理由は、税額の計算ではなく名寄せです。会計側の支払先が自由入力で、同じ職人が「〇〇内装」「〇〇内装工業」「〇〇太郎」の3通りで登録されていました。登録番号は届いた請求書の紙にしか存在せず、データ側は空欄です。

6月に一覧を突き合わせたところ、147先だったものが実体121先。うち登録番号がないのは38先でした。この時点で、会計と発注の両方で同じ外注先コードを使うマスタを1本立てる、という方針が決まりました。

この名寄せ自体を生成AIに手伝わせる進め方もあります。表記ゆれの候補出しと、値引き交渉に進む相手の優先順位づけをまとめて片づけた例はインボイスの控除が10月から50%に下がるにまとめています。

登録の有無は「あり/なし」ではなく、いつからいつまでで持つ

登録状態の持ち方

7月に121先を国税庁の公表サイトで照合すると、2025年9月に新しく登録した先が1件、2026年3月に登録を取り消した先が1件ありました。マスタにチェックボックスを1つ置く作りだと、更新した瞬間に過去の伝票の判定まで変わってしまいます。そこで状態を期間で持たせました。

CREATE TABLE supplier_invoice_status (
  supplier_id INT  NOT NULL,
  reg_no      VARCHAR(14),      -- T+13桁。未登録はNULL
  valid_from  DATE NOT NULL,    -- 登録年月日
  valid_to    DATE,             -- 失効日。現在有効ならNULL
  checked_at  DATE NOT NULL,    -- 公表サイトで確認した日
  source      VARCHAR(10)       -- 'api' / 'manual'
);

公表サイトには全件データのダウンロードとWeb-APIがあるため、月1回まとめて照合し、確認日を必ず残す運用にしています。

発注の画面に区分が出て、はじめて見積が合った

控除割合と原価の変化

会計にだけ区分を持たせると、判定できるのは請求書が届いた後です。工事の実行予算は発注時に組むので、それでは間に合いません。控除できない消費税は原価に乗るからです。

仕入日 控除できる割合 税込110万円の外注で控除できる額 原価に乗る額
〜2026年9月30日 80% 8.0万円 2.0万円
2026年10月1日〜2029年9月30日 50% 5.0万円 5.0万円
2029年10月1日〜 なし 0円 10.0万円

500万円の改修工事で一人親方への外注が税込110万円なら、原価に乗る消費税は2万円から5万円へ。粗利50万円に対して3万円、6%の差です。8月から発注入力画面に区分と控除外税額を表示し、見積時に見えるようにしました。10月には最低賃金の改定も重なるため、人件費の試算と同じ月に二重で効いてきます。

あわせて読みたい10月の最低賃金改定で人件費はいくら増えるのか|Excelの勤怠集計では試算が合わない理由

「1万円未満なら大丈夫」は、この会社には当てはまらなかった

経理から「1万円未満は今まで通りでは」という質問が出ましたが、少額特例は基準期間の課税売上高1億円以下などが条件で、年商6.2億円のこの会社は対象外でした。金額の大小に関係なく50%です。

あわせて、帳簿の摘要に入れていた「80%控除対象」の文字列を切り替える必要があり、自動仕訳ルール、定期支払いの雛形、経費精算のテンプレなど7か所を洗い出しました。集計は請求書の日付ではなく取引日で判定します。

SELECT CASE WHEN s.reg_no IS NOT NULL THEN '適格'
            ELSE '経過措置50%' END AS kubun,
       SUM(p.amount_incl_tax)
FROM purchase p
LEFT JOIN supplier_invoice_status s
  ON s.supplier_id = p.supplier_id
 AND p.trade_date >= s.valid_from
 AND (s.valid_to IS NULL OR p.trade_date <= s.valid_to)
WHERE p.trade_date >= '2026-10-01'
GROUP BY 1;

117万円という数字自体は変えられません。変わったのは、それが11月の締めで初めて分かるか、8月に分かっているかです。制度で期日が決まっている改修は逆算すると着手が早くなる、という点でも同じでした。

えらびの道は業務システムをオーダーメイドで開発しています。卸売の受発注・請求、出張販売の管理、介護のシフト管理、ECサイトなどを手がけてきました。今回のテーマでいえば、取引先マスタに登録状態を期間で持たせて取引日で判定する仕組み、公表サイトの全件データと月次で照合する処理、発注画面での区分表示、区分別集計のレポート自動化が実装の対象になります。既存の会計ソフトはそのままに、照合と集計だけを小さく作って動かしながら広げる進め方をとっており、マスタ更新の手間が現場に偏ると運用が止まるため、入力先を変えずに集計側を寄せる形から始めることもあります。

取引先区分のデータ整備まで、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DXの支援を行っています。卸売の受発注や請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、EC・決済、業務データの収集と予測基盤といった領域で、実際に手を動かしてきました。制度の解説だけでなく、動くシステムを作る立場から関わっています。

この記事で扱った外注先マスタの名寄せや、登録番号を期間で持たせるテーブル設計、発注画面への区分表示は、御社の業務に合わせて組み立て直せます。会計ソフトと発注システムのどちらに何を持たせるか、公表サイトとの月次照合をどう回すかも、既存の運用を見たうえで一緒に決めていきます。

えらびの道では、全部を一度に置き換えることはしません。止まると困る1業務から先に動かし、残りは様子を見ながら移していきます。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当するため、話した内容が伝言で薄まることもありません。

まずは現状を伺うところからで構いません。オンラインで30分、費用はかかりません。10月までに何をどこまで整えるべきか、優先順位の整理だけでもお役に立てるかと思います。

よくある質問

免税事業者からの仕入れは2026年10月から何が変わりますか?

2026年10月1日以降の課税仕入れは、消費税相当額の50%までしか控除できなくなります。9月30日までは80%です。判定は請求書の日付ではなく仕入れを行った日で行うため、9月納品・10月請求分は80%のまま扱われます。

取引先が登録事業者かどうかは、どこで確認できますか?

国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで登録番号から確認できます。全件データのダウンロードとWeb-APIも用意されているため、取引先が数十社を超えるなら月1回まとめて照合し、確認した日を一緒に記録しておくと後から根拠を追えます。

1万円未満の仕入れも50%しか控除できませんか?

基準期間の課税売上高が1億円以下などの条件を満たす事業者は、2029年9月30日までの税込1万円未満の課税仕入れについて全額を控除できます。1回の取引の合計額で判定するため、まとめ請求では1万円を超えることが多い点に注意が必要です。

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この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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