9月末で切れるライセンスを自動更新のまま延ばしていないか|使わないアカウント・重複機能・解約予告期限の棚卸し

契約管理クラウドサービスコスト削減

9月末は、業務システムのライセンスやクラウド契約の更新日が集まる時期です。年度を4月始まりにしている会社なら上期末、暦年契約なら年央の見直し時期にあたり、契約書には「異議の申し出がなければ同一条件で1年延長する」という一文が入っています。

この一文が働くと、何もしなくても契約は続きます。続くこと自体は問題ではありません。問題は、続いた内容が去年決めたままだという点です。人が減っても、使わなくなった機能があっても、同じ金額が引き落とされます。

以下、更新の場面で実際に起きる失敗を4つ挙げます。

解約予告の期限が更新日ではなく、その前に来ています

契約種類別の予告期限

一番多い失敗がこれです。「9月30日が更新日だから、9月に入ってから考えよう」と構えていると、間に合いません。

多くの法人向け契約は「契約期間満了の30日前まで」「60日前まで」に書面で申し出ることを解約の条件にしています。9月30日更新で60日前なら、期限は7月末です。この記事を読んでいる時点で、すでに過ぎている契約があるかもしれません。

なぜ起きるかというと、更新日は請求書に書いてあるのに、予告期限はどこにも書いていないからです。予告期限が書かれているのは初回契約時の申込書か、Webサイトの利用規約です。どちらも経理の手元にはありません。

防ぐには、契約ごとに「更新日」と「予告期限」を分けて持ちます。カレンダーに登録するのは更新日ではなく、予告期限の2週間前です。判断する時間を確保するためです。

契約の種類 予告期限の目安 確認する場所
クラウドの年間契約の場合 更新日の30日前までの場合が多い 管理画面のサブスクリプション欄
オンプレのライセンス保守の場合 更新日の60〜90日前までの場合が多い 初回の申込書と保守契約書
回線・データセンターの場合 更新日の3〜6か月前までの場合が多い 契約書の中途解約条項
開発会社との保守契約の場合 更新日の30〜60日前までの場合が多い 基本契約書と個別覚書

保守契約に何が含まれているかを整理していない場合は、毎年払っている業務システムの保守費は何の対価なのかも合わせて確認しておくと、更新の可否を判断しやすくなります。

あわせて読みたい毎年払っている業務システムの保守費は何の対価なのか|障害対応・法改正対応・追加改修の線引きを下期の予算前に確認する

退職者のアカウントが、ライセンス数として課金され続けています

休眠IDと削減見込み

3月と9月は退職が集中します。人事の手続きは終わっていても、システム側のアカウントは残っていることがあります。

クラウドサービスの多くは、契約ライセンス数に対して課金します。使っているかどうかは見ません。20人分を契約していれば、実際に使っているのが14人でも20人分の請求が来ます。

なぜ起きるかというと、アカウントを削除する担当と、契約数を減らす担当が別だからです。情シス担当がアカウントを無効化しても、契約数の変更は総務や経理の仕事になっていることが多く、そこで止まります。無効化しただけでは、ライセンスは解放されない製品もあります。

防ぐには、更新前に「契約ライセンス数」と「過去90日にログインがあったアカウント数」を並べて比べます。管理画面から最終ログイン日をCSVで出せるサービスがほとんどです。差が3件以上あるなら、その分は減らす候補になります。ID管理そのものが後回しになっている場合は、退職者のアカウントが消えないまま残っているで整理の順序を確認してください。

棚卸しの表は、こういう形で作ります。

サービス名 / 契約数 / 発行済ID数 / 90日以内ログイン数 / 差分 / 月額単価 / 削減見込み
勤怠管理   /   40  /     38     /       31         /  9  /  400円 / 3,600円/月
販売管理   /   15  /     15     /       11         /  4  / 2,800円 / 11,200円/月

差分の列だけを見れば、更新前に削る対象がそのまま出ます。

あわせて読みたい退職者のアカウントが消えないまま残っている|中小企業でID棚卸しが後回しになる理由と要件整理

別々に契約した2つのサービスで、同じ機能に二重で払っています

重複しやすい5つの機能

グループウェアを契約した年と、経費精算のサービスを契約した年が違う。その間に、グループウェア側にワークフロー機能が追加されている。こういうことが起きます。

サービス提供側は機能を増やし続けます。契約したときには無かった機能が、2年後の標準プランに入っていることは珍しくありません。ところが利用者側は、契約当時の理解のまま使い続けます。

なぜ起きるかというと、機能追加の案内はサービスからのメールで届き、それは管理者の受信箱で埋もれるからです。誰も「うちは今、同じ機能に二重で払っていないか」という視点で読みません。

防ぐには、契約している全サービスを一覧にして、機能を軸に並べ替えます。ワークフロー、ファイル共有、チャット、電子署名、勤怠。この5つは特に重なりやすい領域です。重なりが見つかったら、どちらかを解約するのではなく、まず「どちらが業務に食い込んでいるか」を見ます。データが多く入っている方を残すのが、移行コストの観点では現実的です。サービスが増えすぎている状態の整理は、バラバラに増えたクラウドサービスを1つにまとめるべきかでも扱っています。

あわせて読みたいバラバラに増えたクラウドサービスを1つにまとめるべきか|中小企業の「システムが多すぎる」問題

「今解約すると業務が止まる」と言われ、中身を確かめずに更新しています

更新前の確認手順

更新の可否を現場に聞くと、多くの場合「必要です」と返ってきます。それはその通りなのですが、必要なのがサービス全体なのか、その中の一機能なのかは分かれます。

月額3万円のサービスで、実際に使われているのが請求書のPDF出力だけ、ということがあります。この場合、上位プランから下位プランへ落とすだけで費用が変わります。あるいは、既に契約している別のシステムに同じ出力があるかもしれません。

なぜ起きるかというと、更新の判断が「使うか、使わないか」の二択で聞かれるからです。この聞き方だと、少しでも使っていれば「使う」になります。

防ぐには、聞き方を変えます。「先月このサービスで行った作業を3つ挙げてください」と聞きます。挙がった作業がプランの下位で足りるなら、プランを落とせます。挙がらなければ、実質使われていません。

判断の材料が揃ったら、次の区分に振り分けます。

区分 当てはまる状態 更新前にすること
そのまま更新する場合 全ライセンスが稼働している場合 単価の改定有無だけ確認する
ライセンス数を減らす場合 休眠IDが3件以上ある場合 予告期限までに減数を申し出る
プランを落とす場合 上位機能を半年使っていない場合 下位プランの制限を確認する
解約する場合 機能が他サービスと重複している場合 データの取り出し方法を先に確認する

解約を決めた場合、データの取り出しは更新日より前に済ませます。契約終了と同時にデータが消えるサービスと、30日間だけ保持するサービスがあり、後者でも取り出せる形式は限られます。

棚卸しの結果を、来年また同じ手間で作り直さないために

一度作った一覧は、翌年も使えます。使えるようにするには、記録する項目を最初から決めておきます。サービス名、契約開始日、更新日、予告期限、契約数、月額、担当部署、管理者アカウント。この8項目があれば、翌年は差分の確認だけで済みます。

置き場はスプレッドシートで構いません。重要なのは、更新のたびに更新日と契約数を上書きすることです。ここが更新されないと、2年目には信用できない表になります。共有フォルダのファイルが増え続けて正本が分からなくなる問題は、共有フォルダに「最終版_修正済_v3」が並ぶで扱っています。

一覧から確認事項を洗い出すときは、こういう指示の形で整理すると漏れが減ります。

以下の契約一覧から、次の条件に当てはまる行を抽出してください。

1. 更新日が今日から90日以内のもの
2. 契約数と90日以内ログイン数の差が3以上のもの
3. 予告期限の記載が空欄のもの

抽出後、1〜3のどれに該当するかを行ごとに示してください。
3に該当する行は、確認すべき書類名(申込書・保守契約書・利用規約)も併記してください。

えらびの道では、業務システムをオーダーメイドで開発しています。卸売の受発注・請求、出張販売の管理、介護のシフト管理、ECサイトなどを手がけてきました。契約の棚卸しについては、既存の管理台帳を読み取って更新日と予告期限のアラートを出す仕組みや、各サービスの管理画面から出したCSVを取り込んで休眠IDを自動で洗い出す処理を作れます。データの可視化やレポートの自動化から、機械学習による予測やリアルタイムなデータ収集基盤まで対応しています。小さく作って動かしながら育てる進め方をとっていますので、まずは契約一覧の集約だけから始めることもできます。

ライセンス更新の棚卸しまで、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DXの支援を行っています。卸売の受発注と請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、EC・決済、業務データの収集と予測基盤といった領域で、実際に手を動かして作ってきました。契約や運用の話も、現場のシステムを預かる立場から見てきたことをもとにお伝えしています。

契約の一覧をどう持つか、更新日と解約予告期限をどう分けて管理するか、といった部分は御社の契約内容に合わせて組み立てます。ライセンス数と直近のログイン実績を突き合わせる棚卸しの仕組みや、重複している機能を洗い出すための一覧づくりまで、既存の管理台帳や会計データを使いながら整えていきます。手作業で続けるか、仕組みにするかの線引きも一緒に考えます。

進め方としては、全部を一度に置き換えることはしません。止まると困る1業務から動かして、残りは様子を見ながら移していきます。更新時期が近い契約から先に手を付けて、次の更新までに範囲を広げる、という順序を取ることもできます。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当するので、話した内容がそのまま形になります。

まずは、どの契約から見直すべきか整理するところからでも構いません。えらびの道ではオンラインで30分の相談をお受けしていて、費用はかかりません。契約書やライセンスの管理表がお手元にあれば、その場で一緒に見ながらお話しできます。

よくある質問

自動更新された契約を、あとから解約することはできますか?

更新後の解約は可能ですが、多くの契約では中途解約扱いになり、残期間の料金が発生します。年間契約であれば残り月数分の請求が来ることが一般的です。更新日を過ぎた場合は、次回の予告期限を確認して、その日をカレンダーに登録しておくのが現実的な対応になります。

契約書が見つからない場合、更新日や予告期限はどこで確認できますか?

クラウドサービスであれば管理画面のサブスクリプション欄に更新日が表示されます。予告期限は利用規約かサービス約款に記載されています。オンプレのライセンス保守の場合は、販売元や開発会社へ問い合わせれば契約内容の写しを出してもらえます。請求書の但し書きに契約期間が入っていることもあります。

ライセンス数を減らすと、あとで人が増えたときに困りませんか?

多くのクラウドサービスは、契約期間の途中でもライセンスの追加はできます。減らすことだけが更新時に限られる仕組みです。そのため、更新時は実際の利用者数まで下げておき、増員が決まった時点で追加する方が費用は抑えられます。追加時の単価が変わる契約もあるため、減らす前に確認してください。

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この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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