毎年払っている業務システムの保守費は何の対価なのか|障害対応・法改正対応・追加改修の線引きを下期の予算前に確認する

保守契約業務システムIT予算

下期の予算を組む時期になると、「保守費は前年と同額でよいですか」という確認が経理から回ってきます。ここで手が止まり、その金額が何に対する対価かを説明できる会社は多くありません。月10万円なら年120万円、5年で600万円ですから、中身を確かめずに繰り返すには小さくない金額です。契約書と請求書を並べたときに見つかりやすい取り違えを、4つ挙げます。

「保守料 一式」の請求書を、前年と同じ金額のまま来期に載せてしまいます

月10万円の場合の累計

起きる理由は、保守費が作業の内容ではなく、導入時の開発費に対する比率で決まった経緯があるからです。当時の担当者が退職していると、根拠を知る人が社内に残っていません。防ぐには、金額を交渉する前に、作業の区分ごとに何が含まれるかを書き出してもらいます。

保守の区分 含まれることが多い作業 別料金になりやすい作業
障害対応 止まったサービスを再起動する作業 壊れたデータを調べて元に戻す作業
法改正対応 税率や料率の設定値を変える作業 帳票の様式や計算ロジックを作り直す作業
基盤の更新 OSやミドルウェアに修正を適用する作業 OSやデータベースの版を上げる移行作業
問い合わせ 操作方法の質問に答える作業 新しい画面や帳票を追加する作業

区分が分かれると、「何も起きていない月にも10万円払っている」のか、「監視と更新の分として払っている」のかが、はじめて社内で共有できるようになります。

法改正への対応も保守に含まれていると思い込んでいます

法改正対応の費用区分

保守という言葉から「常に最新の状態に保つこと」を連想しますが、契約書に書かれているのは「正常な稼働の維持」までである場合が少なくありません。区分の追加のように画面や帳票の作り替えが必要になる改正は、改修として別の見積になります。

起きる理由は、設定値を変えれば済む改正と、判定ロジックを足す必要がある改正が、社内では同じ「法改正対応」という一語で語られているからです。防ぐには、自社に影響する改正を先に一覧にして、対応の要否と費用の負担を書面で確認します。消費税の経過措置のように施行日が決まっているものは、取引先の区分をデータでどう持つかという設計の話まで含めて、早めに時期を押さえておくほうが安全です。

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障害が起きたら電話すれば直ると考え、復旧までの時間を決めていません

障害対応の条件確認

受付は平日9時から17時まで、夜間と休日は別料金、という契約は珍しくありません。さらに、一次回答までの目安時間や復旧の目標時間そのものが書かれていないことも多くあります。

起きる理由は、契約した時点でまだ障害を経験していないため、金額の話は出ても時間の話が出ないからです。防ぐには、システムが止まって本当に困る時間帯を業務側で先に決めます。すべてを24時間対応にすると費用は跳ね上がりますので、受注の締め時間や請求処理の日など、範囲を絞って条件を上げるほうが現実的です。バックアップの有無より、誰がどの順番で戻すかが決まっているかのほうが、復旧までの時間を左右します。

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軽微な修正の無償枠を、使い切らないまま毎年消しています

「月2時間までの軽微な修正は無償」という枠がついているのに、一度も使われていない契約があります。起きる理由は、現場が「これは有料になるのでは」と遠慮して依頼を出さないことと、窓口が特定の担当者1人に集中して止まっていることです。

防ぐには、四半期ごとに依頼と消化状況の一覧をベンダーから出してもらいます。そのうえで、機能を増やす改修は保守とは別に予算を立てます。自社で使うソフトウェアは無形固定資産として計上し、耐用年数5年で償却するのが原則ですので(国税庁 No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数)、保守費を期間の費用として、改修費を投資として別の欄に積むと、稼働時期から逆算する考え方ともつながります。

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下期の予算を組む前に、契約書の3か所を読み直します

更新前の確認の流れ

読む場所は、対象範囲と対応時間、そして更新条件の3つです。自動更新の契約では、解約や条件変更の申し出に3か月前などの予告期間が定められていることがあり、予算を確定してから気づくと1年分が動かせなくなります。次の内容を、更新月の3か月以上前に送っておきます。

【保守契約の内容確認のお願い】
下記について、書面でご回答をお願いします。

1. 保守費に含まれる作業(障害対応/法改正対応/基盤の更新/
   問い合わせ/軽微な修正)とその範囲
2. 障害の受付時間帯と、一次回答までの目安時間
3. 夜間・休日に対応を依頼した場合の追加費用
4. 軽微な修正の無償枠(月あたりの上限時間と繰り越しの可否)
5. 直近1年間の対応履歴(件数・内容・所要時間)
6. 契約の更新時期と、条件変更・解約を申し出る場合の予告期間

回答が返ってきたら、前年と同額かどうかではなく、区分ごとの金額が業務の重要度と釣り合っているかで判断します。

えらびの道は業務システムをオーダーメイドで開発しています。卸売の受発注・請求、出張販売の管理、介護のシフト管理、ECサイトなどを手がけてきました。今回のテーマでいえば、既存システムの構成と依存関係を洗い出して保守の対象範囲を文書化すること、障害の検知と通知を自動化して復旧までの時間を測れるようにすること、対応履歴と改修依頼を記録して四半期ごとに集計できるようにすることが、実装の対象になります。作り直しを前提にせず、止まると困る1業務から小さく作って動かしながら広げる進め方をとっています。

保守費の中身を確かめるために、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DXのご支援をしています。卸売の受発注や請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、EC・決済、業務データを集めて予測に使う基盤づくりなどを手がけてきました。納品したあとの保守も引き受ける立場から、現場で起きていることをお伝えしています。

この記事で挙げた保守費の線引きについても、御社の契約に合わせたかたちでお手伝いできます。障害対応・法改正対応・基盤の更新・軽微な修正がそれぞれどこまでを指すのかの読み解き、受発注や請求が止まって困る時間帯からの受付時間の決め方、更新前にベンダーへ出す確認事項の整理まで、御社の側に立ってご一緒します。

進め方としては、全部を一度に置き換えることはしません。乗り換えありきで考えず、いまの契約で続けたほうがよい部分は残したうえで、止まると困る1業務から動かし、残りは様子を見ながら移していきます。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当しますので、見積の根拠を同じ相手に確かめられます。

まずは、いまの保守契約書のどこが読み取れないのかを伺うところからで構いません。えらびの道ではオンラインで30分ほどのご相談をお受けしており、費用はかかりません。

よくある質問

業務システムの保守費には、どこまでの作業が含まれますか?

契約によって異なりますが、稼働の監視、障害時の一次対応、セキュリティ更新の適用、操作の問い合わせ対応までを含むものが一般的です。機能の追加や帳票の新規作成は改修として別の見積になることが多いため、区分ごとに範囲を書面で確認しておくと安全です。

法改正への対応は保守費に含まれますか?

含まれる場合と含まれない場合があります。税率などの設定値を変えるだけで済む改正は保守の範囲とされることが多い一方、画面や帳票、判定ロジックの追加が必要になる改正は改修として別途費用が発生します。契約書の対象範囲の条項で判断してください。

保守契約を解約したり、金額を見直したりできますか?

多くの契約は自動更新で、解約や条件変更に1か月から3か月程度の予告期間が定められています。更新月の3か月以上前に対応履歴と作業区分ごとの金額を確認し、業務の重要度と釣り合っているかを見てから、次年度の条件を相談するとよいです。

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この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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