
IT導入補助金が使えるかどうかで業務システムを選んでいないか|対象ツール・カスタマイズ・オーダーメイドの判断基準
「補助金が出る」と言われた瞬間、選べる範囲が先に決まっている
IT導入補助金は、あらかじめ登録されたITツールが対象です。枠や補助率は公募年度ごとに変わりますが、「登録済みのツールから選ぶ」という構造はどの年度でも共通します。
つまり補助金を前提にした時点で、検討対象が「自社の業務に合うシステム」から「登録されているシステム」に置き換わります。ここが入れ替わったことに、社内の誰も気づかないまま稟議が通る。これがよくある入り口です。
結果として起きるのは、たとえばこういうことです。受注の入り口がFAX・メール・電話の3系統あるのに、システムは1系統分しか持てない。残り2系統はExcelで受けて、あとから手で登録する。月18時間の転記作業が、システムを入れた「あと」に新しく生まれます。この状態が続くと、現場は結局Excelに戻ります。
半額でも、合わなければ3年で逆転する
金額に置き換えると判断しやすくなります。
- 補助対象パッケージ:初期300万円、補助1/2で自己負担150万円。ただし合わない業務の手作業が月18時間残る。時給2,000円換算で年43万円。
- オーダーメイド:250万円を全額自己負担。転記はゼロ。
3年で見ると、前者は150+43×3で279万円、後者は250万円。補助金で半額になったはずの選択肢が、3年目で追い抜かれます。
この試算は業務量で簡単にひっくり返ります。手作業が月2時間で済むなら逆の結論になる。だから比べるべきは「補助金でいくら安くなるか」ではなく、「標準機能に合わせたとき、手作業が何時間残るか」です。
3つの選択肢を、費用ではなく「変更の起きやすさ」で並べる
| 判断のポイント | 補助対象パッケージ | パッケージ+個別カスタマイズ | オーダーメイド開発 |
|---|---|---|---|
| 初期費用の目安 | 100〜400万円 | 300〜800万円 | 200〜800万円 |
| 補助金の使いやすさ | 使いやすい | カスタマイズ分は対象外になりやすい | IT導入補助金では原則対象外 |
| 業務が特殊なときの適合 | 業務側を合わせる | 部分的に合う | 合わせて作る |
| 稼働までの期間 | 1〜3か月(交付決定待ちを除く) | 4〜8か月 | 3〜8か月 |
| 変更・追加のしやすさ | ベンダーの開発計画次第 | 追従のたび費用が乗る | 都度対応できる |
| 残りやすい手作業 | 多い | 中 | 少ない |
オーダーメイドは、設備投資を伴うならものづくり補助金など別制度が候補になります。制度は年度ごとに変わるので、対象経費は必ず公募要領で確認してください。
期間の欄には交付決定待ちを含めていません。交付決定の前に契約・発注・支払いをすると対象外になるのが原則なので、実際は2〜3か月上乗せになります。稼働日が先に決まっている案件では、この待ち時間が致命傷になることがあります。
条件ごとの結論
| 自社の状況 | 結論 |
|---|---|
| 会計・給与・勤怠など法令で形が決まっている業務 | 補助対象パッケージでよい。業務側を合わせる価値がある |
| 受注・原価・現場管理など、やり方が売上に直結する業務 | 補助金を判断材料から一度外して検討する |
| 標準機能に合わせても手作業が月5時間以内 | パッケージ。差額を取り返せない |
| 標準機能に合わせると手作業が月20時間以上出る | オーダーメイド寄り。3年で逆転する |
| 1年以内に法改正・拠点増などの変更が確実 | 変更のしやすさを優先。補助金は二の次 |
| 何を作るべきか社内で固まっていない | どちらも早い。1業務だけ小さく作って確かめる |
補助金の枠ごとに安いツールを継ぎ足していくと、3年後には用途の重なったサービスが並ぶ状態になります。1回ごとの判断は正しくても、積み上がった結果が正しいとは限りません。
申請の話をする前に、社内で1枚だけ埋めておく
ベンダーに会う前に、これだけは自社の言葉で書いておきます。
【システム選定メモ/補助金の話の前に埋める】
1. いま最も時間を食っている作業:受注入力(月18時間)
2. その作業が発生する理由:受注の入り口がFAX・メール・電話の3系統
3. 3年以内に変わることが決まっている:仕入先区分の扱い、拠点1→2
4. 標準機能では足りなさそうな部分:入り口の振り分け、得意先別の単価履歴
5. 手作業として残してよい上限:月5時間まで
この5番があると、見積の比較が「値段」から「条件を満たすか」に変わります。そのうえで、次を聞きます。
【見積を受け取る前に確認する5つ】
Q1. 上の「4」は標準機能で対応できるか。できないなら代替手段は何か
Q2. カスタマイズ分は補助対象経費に入るか、入らないか
Q3. バージョンアップ時、カスタマイズ部分は追従するか。追加費用は
Q4. 交付決定はいつ頃の見込みで、契約と着手はその後になるか
Q5. 補助金の効果報告に必要な数字は、システムから取り出せるか
Q5を最初に聞いておかないと、報告のたびに手集計が発生します。補助金は受け取って終わりではなく、数年にわたる報告義務がついてきます。
えらびの道では、業務システムをオーダーメイドで開発しています。卸売の受発注・請求、出張販売の管理、介護のシフト管理、ECサイトなどの実績があり、データの可視化やレポートの自動化から、機械学習による予測、リアルタイムなデータ収集基盤まで扱っています。補助金の可否を判断する前に、上の1枚を一緒に埋めて「標準機能で足りるのはどこまでか、足りないのはどの一点か」を切り分けるところからお手伝いできます。パッケージで足りると判断できればその旨をお伝えしますし、足りない部分だけを小さく作って既存システムとつなぐ進め方もとれます。
補助金を使うかどうかの判断から、えらびの道でお手伝いできること
合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DXのご支援をしています。卸売の受発注や請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、EC・決済、業務データを集めて予測に使う基盤づくりなどを手がけてきました。登録ツールでは収まらない部分を実際に作る立場から、現場で起きていることをお伝えしています。
この記事で示した判断基準についても、御社の業務に合わせたかたちでお手伝いできます。受注の入り口がどこに何件あるかを数えるところ、標準機能に合わせたときに残る転記が月に何時間になるかの見積り、受発注や原価管理のどこをパッケージに任せてどこを作るかの線引きまで、一緒に整理します。
補助金についても、使える場面と外したほうがよい場面を分けてお話しします。登録ツールで足りるならその前提で設計しますし、対象外になりそうな部分があれば、ものづくり補助金など別制度が候補になるかも含めて確認します。制度は年度ごとに変わるため、対象経費は公募要領で確かめたうえでご案内します。
まずは、補助金ありきで検討が始まっていないかを一緒に見るところからで構いません。えらびの道ではオンラインで30分ほどのご相談をお受けしており、費用はかかりません。
よくある質問
IT導入補助金はオーダーメイドの業務システム開発にも使えますか?
IT導入補助金は事前に登録されたITツールが対象のため、フルオーダーの開発は原則として対象外です。設備投資を伴う場合はものづくり補助金など別の制度が候補になります。制度の内容は年度ごとに変わるので、対象経費は公募要領で確認してください。
補助金の交付決定を待つと、稼働はどのくらい遅れますか?
締切から交付決定までは数週間から2か月程度みておく必要があり、交付決定の前に契約や発注をすると対象外になるのが原則です。稼働時期から逆算するなら、補助金を使わない場合より2〜3か月遅くなる前提で計画したほうが安全です。
補助金対象のパッケージを選ぶべきなのは、どんな業務ですか?
会計、給与、勤怠、電子帳簿保存のように、法令で形がおおむね決まっている業務です。この領域は業務側をシステムに合わせても支障が出にくく、標準機能で足ります。逆に受注や原価管理など、やり方が売上に直結する業務は慎重に判断してください。
この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。
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