年末調整の申告書を今年も紙で配って回収するのか|9月中に決める電子化の範囲と、従業員の入力手段

年末調整給与システム電子化

11月に申告書を配って回収し、記入漏れを見つけて差し戻す。この往復が2周3周と続いて、12月の給与計算の直前まで書類が揃わない。毎年これを繰り返している会社は少なくありません。

差し戻しが減らないのは、担当者の確認が甘いからではありません。紙の様式は、書き終わって提出するまで誤りに気づけない作りになっているからです。電子化の効果は「紙をなくすこと」よりも、「入力の途中で止められること」のほうにあります。

そして電子化は、11月に思い立って始められるものではありません。10月に配る案内の内容が変わるので、決めるなら9月中です。

電子にできる場所は3か所に分かれています

年末調整の電子化は、ひとかたまりの話ではありません。国税庁の年末調整手続の電子化の概要・メリットを業務側から見ると、手を入れられる場所は3つに分かれます。

電子化する範囲 従業員がすること 給与担当がすること 9月中に決めること
申告書の作成と提出 画面に入力して送信すること 受け取ったデータを取り込むこと 入力手段を1つに絞ること
控除証明書の添付 保険会社等からデータを受け取ること 原本との照合を省くこと データで出せない証明書の扱いを決めること
提出後の保存 特にないこと 電子データのまま保管すること 保存場所と閲覧できる人を決めること

3つは別々の要件で動くので、今年は申告書だけを電子にする、という決め方ができます。全部を一度に変えようとした年ほど、11月に紙へ戻ります。

電子で受け取るには、社内で2つの措置を用意します

電子で受け取る条件

従業員から申告書をデータで受け取るには、電磁的方法による提供を受けるために必要な措置と、提供する人の氏名を明らかにするために必要な措置が要ります(年末調整手続の電子化及び年調ソフト等に関するよくある質問)。後者は本人が出したと確かめられる仕組みのことで、電子署名のほかに、社内システムのIDとパスワードによる方法も示されています。

ここでつまずくのは、パートやアルバイトに社内アカウントが配られていない会社です。年末調整のためだけにIDを50個発行して、翌年には持ち主が分からなくなる、という流れは避けたいところです(退職者のアカウントが消えないまま残っている)。

なお同じFAQでは、データで提供を受けるにあたり、法令上は事前に従業員の同意を得る必要はないとされています。同意書集めから始める必要はありません。

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入力手段は3通りあり、差し戻しの出方が変わります

入力手段と差し戻しの出方

入力手段 向いている場合 差し戻しが増える場合
国税庁の年調ソフト 給与システムに従業員用の画面がない場合 従業員のスマホ操作を支えきれない場合
給与システムの従業員ポータル 勤怠や給与明細を同じ画面で見ている場合 中途入社が多く初期設定が追いつかない場合
表計算ソフトや入力フォーム 対象を数十人に絞って試す場合 控除額の計算を人が検算する場合

いちばん崩れやすいのは、部署ごとに違う手段を許すことです。手段が増えるほど問い合わせ窓口が分かれ、結局は紙が最短だという空気に戻ります(業務システムが定着せず現場がExcelに戻る4つの理由)。

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記入漏れは、様式が変わった欄に集中します

送信前に止める条件

差し戻しの理由は毎年ほぼ同じで、所得の見積額が空欄、扶養親族の生年月日が抜けている、控除証明書が添付されていない、の3つに寄ります。加えて、様式が変わった年は新しい欄で止まります。令和8年分は、令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等にあわせて、基礎控除申告書と特定親族特別控除申告書の控除額の計算表が改正後の金額に直っています。控除額も様式も年度ごとの改正で動きますので、その年分の様式を確かめてから画面を作ることになります。

紙は提出されるまで誤りが分かりませんが、画面なら送信前に止められます。止める条件はこの程度で足ります。

送信前に止める条件(申告書の入力画面)
- 扶養親族の生年月日が空欄のまま
- 所得の見積額が空欄、または給与収入額がそのまま入っている
- 特定親族特別控除の欄に該当者がいるのに金額が未記入
- 保険料控除申告書に記載があるのに証明書の添付が0件

9月中に決めておくと、10月の案内が変わります

9月中に埋める項目

基礎控除申告書などは、その年の最後の給与の支払を受ける日の前日までに提出が必要です(給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除、特定親族特別控除及び所得金額調整控除の申告)。この日から逆算して社内の締切を置くので、9月中に埋めておく項目は次の範囲です。

年末調整 電子化の範囲(  年分)
対象範囲  : 申告書のみ / 控除証明書まで / 保存まで
入力手段  : 年調ソフト / 従業員ポータル / 併用
紙で残す  : 対象者と理由(   名)
取込方式  : CSV / API
社内締切  : 従業員 MM/DD、確認 MM/DD、再提出 MM/DD
問い合わせ: 担当   名、対応する時間帯

給与システムへの取り込みは、CSVを受け渡すのかAPIでつなぐのかで、毎年の手間と壊れやすさが変わります(販売管理と会計に同じ数字を二重入力している)。年1回しか動かさない連携ほど、翌年に様式が変わって止まりますので、直せる形にしておくほうが安全です。

えらびの道は、業務システムをオーダーメイドで開発しています。卸売の受発注や請求、出張販売の管理、介護のシフト管理などを手がけてきました。年末調整のように年1回しか動かない業務では、給与システムそのものを入れ替えるより、その手前に入力と検証の仕組みを置くほうが早く済むことがあります。従業員の入力画面、送信前の必須チェック、提出状況の一覧、給与システムへ渡すデータの整形といった範囲を、小さく作って動かしながら育てる進め方で対応しています。

年末調整の電子化まで、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DXの支援を仕事にしています。卸売の受発注と請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、ECと決済、業務データを集めて予測に使う基盤まで、実際に手を動かして作ってきました。制度の解説だけをして終わる立場ではなく、その後の入力画面や取り込み処理までを引き受けています。

年末調整についても、申告書の入力手段をどれに寄せるか、控除証明書をデータで出せない従業員をどう扱うか、提出後のデータをどこに保存して誰が見られるようにするかを、御社の給与システムと従業員の顔ぶれに合わせて整理します。社内アカウントのない従業員に年末調整のためだけのIDを配って翌年に持ち主が分からなくなる、といった形にならないよう、既存の仕組みで足りる部分と作る部分を切り分けます。

進め方としては、全部を一度に置き換えることはしません。今年は申告書の提出だけを電子にして、控除証明書と保存は翌年に回す、という区切り方ができます。止まると困る業務から順に動かし、残りは様子を見ながら移していきます。

打ち合わせから開発まで同じ人間が担当しますので、聞いた話が伝言で薄まることはありません。9月中に決めておきたい項目の切り分けだけでも構いませんので、オンラインで30分ほど、費用はかかりませんのでお話をお聞かせください。

よくある質問

年末調整を電子化するには、従業員全員から同意書をもらう必要がありますか?

国税庁のFAQでは、申告書をデータで提供してもらうにあたり、法令上は事前に従業員の同意を得る必要はないとされています。ただし入力手段や締切は変わりますので、案内は必要です。同意書を集める作業よりも、問い合わせ窓口を先に決めておくほうが実務は進みます。

紙と電子を混ぜて運用しても構いませんか?

構いません。申告書だけを電子にして控除証明書は紙のまま受け取る、という部分的な電子化もできます。ただし手段を個人ごとに選ばせると窓口が分かれますので、紙で出す人の範囲と理由は、9月中に決めておくほうが確認は楽になります。

9月から準備を始めて、11月の年末調整に間に合いますか?

範囲を絞れば間に合います。今年は申告書の入力だけを電子にして、控除証明書と保存は翌年に回す、という決め方です。10月の案内を作る時点で、入力手段と社内の締切が固まっていることが条件になります。

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この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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