春に更新した1年契約のサーバー証明書が秋に切れ、取引先が受注画面に入れなくなった|有効期間200日・来年3月から100日の中で、業務システムとVPNの証明書更新を手作業のままにするか決める【Q&A】

SSL証明書セキュリティ業務システム運用

この記事の事例は、実際にいただくご相談をもとにした想定ケースです。特定の企業を指すものではありません。

10月上旬の朝、取引先から「受注画面を開くと警告が出て、先に進めません」と電話が入ります。調べてみると、3月下旬に1年契約で更新したはずのサーバー証明書が切れていました。この記事では、こうしたご相談のときに実際に出る質問へ順に答えていきます。

1年契約で更新したのに、なぜ半年ほどで切れたのですか

有効期間の上限の推移

証明書の有効期間の上限が短くなったためです。ブラウザの開発元と認証局でつくるCA/Browser Forumの決議(SC-081)によって、2026年3月15日以降に発行される証明書は最長200日になりました。3月20日に発行された証明書は、10月上旬に切れます。

販売店との契約が1年でも、証明書そのものは200日で切れます。そのため、契約期間の途中で証明書を発行し直し、サーバーへ入れ替える作業がもう1回必要になります。前年までは「春に1回入れ替える」で回っていたので、2回目の作業が誰の予定にも入っていなかったというのがよくある経緯です。

来年3月に100日になると、作業はどれくらい増えますか

同じ決議で、2027年3月15日から100日、2029年3月15日から47日まで縮むことが決まっています。社内に証明書が8枚ある場合の年間の入れ替え回数は、次のとおりです。

発行日 最長の有効期間 1枚あたりの年間回数 8枚の年間合計
2026年3月14日まで 398日 1回 8回
2026年3月15日から 200日 2回 16回
2027年3月15日から 100日 4回 32回
2029年3月15日から 47日 8回 64回

実際には期限より前に余裕を持って入れ替えるため、回数はこれより多くなります。ドメインの持ち主であることの確認を使い回せる期間も、最終的には10日まで縮みます。手作業のままだと、2029年にはほぼ毎週どこかで証明書の作業をしている計算になります。

社内のどこに証明書が何枚あるか、どう調べればよいですか

証明書の洗い出し手順

まず、外から見える入口を書き出します。Webサイト、取引先向けの受注画面、VPN装置、メールサーバーなどが対象です。それぞれの期限と発行元は、次のコマンドで確かめられます。

echo | openssl s_client -connect order.example.co.jp:443 -servername order.example.co.jp 2>/dev/null | openssl x509 -noout -enddate -issuer

調べた結果は、次の列で台帳にまとめます。表計算ソフトでも構いません。

用途,ホスト名,置き場所,発行元,有効期限,更新方法,作業者,期限通知の宛先
受注画面,order.example.co.jp,社内サーバー,販売店経由の商用証明書,2026-10-06,手作業,総務A,[email protected]

特に「期限通知の宛先」の列を確かめてください。退職した人のメールアドレスに通知が届き続けている例は少なくありません。これは退職者のアカウントが残ったままになる問題と同じところから起きています。また、無料の証明書として広く使われているLet’s Encryptは、期限切れの通知メールを2025年6月4日で終了しました。通知が届く前提で運用している場合は、そこから見直す必要があります。

あわせて読みたい退職者のアカウントが消えないまま残っている|中小企業でID棚卸しが後回しになる理由と要件整理

業務システム・VPN・Webサイトのうち、自動にしにくいものはどれですか

自動化しやすさの分かれ目

自動更新は、ACMEという手順に対応した仕組みを使い、証明書の発行から入れ替えまでを機械に任せる方法です。自動にできるかどうかは、証明書の置き場所によって分かれます。

対象 自動にしやすい場合 手作業が残りやすい場合
Webサイト レンタルサーバーやクラウドが証明書を発行している場合 販売店で買った証明書を管理画面から差し込んでいる場合
受注画面などの業務システム 自社で触れるサーバーにACMEの更新ツールを入れられる場合 開発会社がサーバーを管理していて、作業のたびに依頼が要る場合
VPN装置 機器のファームウェアがACMEに対応している場合 古い機器で、証明書ファイルを手で取り込む場合

社内だけで使う画面に、社内の認証局で発行した証明書を使っている場合は、今回の短縮の対象外です。開発会社に作業を頼んでいる場合は、証明書の入れ替えが保守契約に含まれているかを確かめてください。これは保守費が何の対価なのかを確認するときの項目の1つです。年1回の作業を前提にした契約だと、年4回になった時点で追加費用がかかることがあります。

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手作業のまま続けてもよいのは、どんな場合ですか

手作業を続けてよい条件

証明書が1〜2枚で、作業する人が決まっていて、その人が休んでも代わりの人がいる場合です。100日になっても年4回で、1回の作業が30分ほどなら年2時間で済みます。

ただし、手作業を続けるのであれば、期限の30日前に複数の人へ知らせる仕組みは別に用意してください。個人のカレンダーに入れた予定は、担当が替わると一緒に消えてしまいます。逆に、証明書が5枚を超える、VPN装置が含まれる、開発会社への依頼が必要、のどれかに当てはまる場合は、来年3月より前に自動へ移しておくほうが手間は少なくなります。

自動にしたあとは、何を見ておけばよいですか

自動更新は、誰にも気づかれないまま止まることがあります。ドメインの設定を変えた、ファイアウォールで通信を絞った、更新ツールが古いまま残っていた、といったことが原因になります。止まっていても、証明書が切れるまで誰も気づきません。

そこで、更新する仕組みとは別に、外から期限を確かめる見張りを置きます。上のコマンドを毎日動かし、残りが20日を切ったらチャットに知らせる程度で十分です。更新と確認を別の仕組みにしておけば、片方が止まってももう片方で気づけます。

えらびの道では、卸売の受発注・請求、出張販売の管理、介護のシフト管理、ECサイトなどの業務システムをオーダーメイドで開発しています。証明書については、社内にある証明書の洗い出しと台帳づくり、自社で動かしている業務システムへの自動更新の組み込み、期限を外から確かめて知らせる仕組みづくりをお手伝いできます。データの可視化やレポートの自動化から、機械学習による予測やリアルタイムのデータ収集基盤まで対応しています。期限の通知も、まず受注画面などの重要な入口から小さく作り、動かしながら対象を広げていく進め方をとっています。

証明書の更新を手作業から移すまで、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発とデータ活用・DX支援を本業にしています。卸売の受発注・請求、介護のシフト管理、EC・決済など、止まると現場が困る業務システムを自分たちの手で作ってきました。

証明書については、受注画面、Webサイト、VPN装置、メールサーバーを洗い出し、期限通知の宛先まで含めた台帳をつくるところからご一緒できます。ACMEで自動にできるものには自動更新を組み込みます。自動にしにくい機器は、入れ替えの手順と予定を御社の体制に合わせて整えます。

進めるときは、全部を一度に切り替えないようにしています。まず取引先が使う受注画面のように、止まると困る1か所を自動にします。残りは様子を見ながら移していきます。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当するので、途中で話が食い違いにくい体制です。

社内に証明書が何枚あるか、まだ分からない段階でも構いません。オンラインで30分、費用はかからずにご相談いただけます。いまの状況をそのままお聞かせください。

よくある質問

SSL証明書の有効期間はいつから短くなりますか?

2026年3月15日以降に発行される公的なサーバー証明書は、最長200日になりました。2027年3月15日からは100日、2029年3月15日からは47日まで縮みます。販売店との契約が1年や複数年でも、証明書そのものはこの日数で切れるため、途中で再発行と入れ替えが必要です。

証明書の自動更新は無料の証明書でしかできませんか?

無料の証明書に限りません。ACMEという手順に対応している商用の認証局もあり、有料の証明書でも発行と入れ替えを自動にできる場合があります。対応しているかどうかは認証局や販売店によって違うため、今の契約先に確かめてから、自動にするか乗り換えるかを決めるのが確実です。

証明書が切れると業務システムはどうなりますか?

システム自体は動き続けますが、利用者のブラウザに警告画面が出て、多くの人はそこから先へ進めなくなります。取引先が使う受注画面やVPNで起きると、注文や在宅勤務が止まります。システム同士の連携では警告を出さずに通信が拒否されるため、原因の特定に時間がかかることがあります。

ご相談は、お電話が一番早いです

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097-507-3082

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