10月稼働の新システムを旧システムと何か月並行させるか|二重入力が続く期間の工数と、旧システムを止める日の決め方

業務システムシステム移行プロジェクト管理

10月1日に新しい販売管理を動かします、というご相談で、稼働日は決まっているのに旧システムをいつ止めるかは決まっていない、ということがよくあります。「しばらく両方動かして、問題がなくなったら旧を止める」という言い方になりがちです。

この「問題がなくなったら」を曖昧にしたまま始めると、並行期間は延びます。延びているあいだ、現場は同じ伝票を2回入力し続けます。ここでは、並行稼働について実際に出る質問に順番に答えていきます。

新旧の並行稼働は、何か月みておけばよいですか

並行稼働の期間の数え方

月数ではなく「月次の締めを何回通したか」で数えると決めやすくなります。

業務には周期があります。受注や出荷のような日次の業務は、1〜2週間動かせば判断がつきます。一方、請求の締めや売掛の消込は、月を越さないと検証できません。10月1日稼働であれば、10月分の締め(11月上旬)が1回目、11月分の締め(12月上旬)が2回目です。ここまでで並行は約2か月半になります。

年に1回しか来ない棚卸しや決算を並行で検証しようとすると1年かかりますので、これは並行の対象から外し、テストデータで確かめる作業に振り分けます。

二重入力が続くと、現場の工数はどのくらい増えますか

並行中に増える月の工数

先に式を置いて、自社の件数を当てはめてみてください。

【二重入力の工数を出す式】
1日の伝票件数 × 1件あたりの再入力時間 = 1日の再入力時間
+ 日次の突き合わせ時間 + 差異を追いかける時間
= 1日の追加工数 × 営業日数 = 1か月の追加工数

受注伝票が1日80件、旧システムへの再入力に1件40秒かかるとすると、再入力だけで1日約53分、20営業日で約18時間になります。ここに突き合わせと問い合わせ対応が乗ります。

並行中に増える作業 発生する場面 1か月あたりの目安
旧システムへの再入力 受注を新旧の両方へ入れる場面 約18時間
件数と金額の突き合わせ 日次で差異を確認する場面 約10時間
差異の原因を追う作業 数字が合わない日に調べる場面 約5時間
操作の問い合わせ対応 現場の質問が担当者へ集まる場面 約8時間

合計で月40時間前後、担当者1人の月の労働時間の4分の1にあたります。この工数はベンダーの見積書には載りません。開発費とは別に、自社の人件費として並行月数分かかると考えておいてください。

並行させる範囲を絞ることはできますか

並行範囲の3つの進め方

できます。全業務を並行させる必要はありません。

見落とされやすいのは、「止める」の手前に「書き込みだけ止めて、参照はできるようにする」という状態があることです。旧システムを読み取り専用にしてしまえば、二重入力はなくなり、過去の照会だけが旧側に残ります。

進め方 向いている場合 二重入力の範囲 旧を止める日
全業務を並行させる 締めまで新旧で突き合わせたい場合 全伝票の二重入力 締めを2回通した日
業務を分けて移す 受注だけ先に移したい場合 移した業務のみの二重入力 業務ごとに違う日
旧を参照専用にする 過去の照会しか使わない場合 二重入力なし 稼働日と同じ日

旧システムを止める日は、何が確認できたら決めてよいですか

旧システムを止める判断条件

条件を先に文章にしておきます。感覚で判断しようとすると、いつまでも「もう少し様子を見よう」になります。

【旧システムへの書き込みを止める判断条件】
□ 新システムだけで月次を1回締め、旧との差額が0円になっていること
□ 締め処理と請求書の発行を、担当者が手順書を見ずに終えられること
□ 取引先へ出す帳票を、すべて新システムから出せていること
□ 旧システムでしか見られない照会の代わりを用意できていること
□ 差異が出たときの連絡先と、当日中に動ける担当者を決めてあること

止める日は月の途中に置かず、締めの区切りに合わせます。「12月10日の11月分締め処理が終わった後」というように、日付と作業をセットで社内に先に伝えておきます。期日を宣言しないまま並行を続けると、現場は「どうせ旧が残る」と受け取り、使い慣れた旧側に入力が寄っていきます。業務システムが定着せず現場がExcelに戻る状態は、並行期間が延びた現場でも同じ形で起きます。

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旧システムを止めた後、過去のデータはどう残しますか

「止める」には3つの段階があり、同じ日にまとめないことが大切です。書き込みを止める日、サーバーの稼働を止める日、保守契約とライセンスを解約する日は、それぞれ別に決めます。

保守を切ると画面自体が開かなくなる製品もありますので、その前にデータを取り出します。CSVでの書き出しに加えて、請求書や納品書といった取引先へ出した帳票はPDFでも残しておくと、後から金額の根拠を示せます。国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトにあるとおり、電子でやり取りした取引データには保存の要件がありますので、旧システムを止めても保存義務はなくなりません。取り出したデータをどう検索できるようにするかは、税務調査で請求データの提示を求められたときの要件と合わせて決めておくと二度手間になりません。新システムへどこまで持っていくかの線引きについては、過去データの移行範囲の判断基準で詳しく書いています。

えらびの道では、卸売の受発注・請求や出張販売の管理、介護のシフト管理といった業務システムをオーダーメイドで開発しています。並行稼働のように「作った後」に効いてくる部分は、開発の途中で決めておかないと現場の負担として残ります。新旧の件数と金額を毎日突き合わせる画面を用意する、旧システムから取り出したデータを検索できる形で保管する、停止日の判断条件を洗い出すといった作業をお手伝いできます。全部を一度に置き換えず、止まると困る業務から小さく動かして育てる進め方をとっています。

旧システムを止める日の決め方まで、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DX支援を行っている会社です。卸売の受発注・請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、EC・決済といった領域で、実際に動くシステムをつくって運用してきました。

今回の記事で扱った並行稼働の設計も、御社の業務に合わせて一緒に組み立てられます。受注や出荷をどこまで並行させるか、請求の締めと売掛の消込を何回通してから判断するか、二重入力の工数を自社の伝票件数でどう見積もるかを整理します。旧システムを参照専用に切り替える手順や、止める日の条件を先に文章にしておく作業もお手伝いします。

えらびの道の進め方は、全部を一度に置き換えないことです。止まると困る1業務から先に動かして、残りは様子を見ながら移していきます。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当しますので、現場で出た話がそのまま設計に反映されます。

並行期間をどう置くか決めきれない段階でも構いません。オンラインで30分、費用はかからない形でご相談をお受けしています。稼働予定日と業務の周期をうかがえれば、どこから手をつけるかの見当をお伝えできます。

よくある質問

新システムと旧システムの並行稼働は何か月必要ですか?

日次業務は2週間、月次の締めは2回通すという目安で、10月稼働なら12月上旬までのおよそ2か月半が一つの区切りになります。年次業務は並行では検証しきれないため、テストデータで確かめる対象として分けて扱います。

並行稼働中も旧システムの保守契約は続ける必要がありますか?

書き込みを止めるまでは続けてください。並行中に旧側で障害が出ると比較の基準を失います。書き込みを止めた後も、データを取り出して保管し終えるまでは解約せず、取り出し完了を確認してから解約日を決めると安全です。

旧システムを止めた後にデータを見たくなったらどうしますか?

停止前にCSVと帳票PDFで書き出しておけば、表計算ソフトや新システムの取り込み機能で確認できます。書き出しをせずに解約すると、画面が開かず参照する手段がなくなりますので、停止日より前に取り出す作業を予定へ入れておきます。

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この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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