
20日締めの4月分請求書に8%と1%が混ざる|食品消費税1%に向けて、食品卸が3月納品分の返品と2029年の8%戻しまで見て販売管理の改修範囲を決める【Q&A】
国税庁のリーフレットによると、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の消費税率が1%(国・地方合計)に下がる予定です。9月には飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&Aも出ました。このQ&Aは、法律が成立することを前提に実務での扱いを示したものです。
食品卸には、月末以外の日に締める得意先が多くあります。販売管理のどこを直すか年内に決めておかないと、4月分の請求書から影響が出ます。現場でよく出る質問に、順に答えていきます。
20日締めの4月分の請求書は、どこで8%と1%に分かれますか
3月21日から4月20日までを1枚にまとめる請求書では、3月中に納めた食品は8%、4月1日以後に納めた食品は1%になります。税率を決めるのは締日や請求日ではなく、商品を引き渡した日です。そのため、同じ商品コードでも、3月末に納めた分と4月頭に納めた分は別の税率で集計されます。
酒類や包装資材も扱う卸では、10%・8%・1%の3つの区分が1枚の請求書に並びます。適格請求書には、税率ごとに分けた合計額と消費税額を載せる必要があります。3月31日に出荷して4月1日に届く便のように、こちらの出荷日と得意先の検収日で税率がずれる取引もあります。こうした取引は、どちらの日で数えるか先に得意先とすり合わせておきます。
| 取引の例 | 税率を決める日 | 使う税率 |
|---|---|---|
| 3月25日に納品し、4月20日締めで請求する食品 | 納品日の3月25日 | 8% |
| 4月3日に納品し、同じ請求書に載る食品 | 納品日の4月3日 | 1% |
| 3月28日に納品し、4月8日に返品された食品 | 元の納品日の3月28日 | 8% |
| 4月に納品した酒類・容器・雑貨 | 納品日 | 10% |
3月に納めた商品が4月に返品されたら、何%で戻しますか
Q&Aによると、3月31日までに8%で売った飲食料品が4月1日以後に返品された場合は、8%で返品分(対価の返還)を計算します。
注意が要るのは、返品を当月の赤伝で入力する販売管理です。返品伝票が元の納品伝票とつながっておらず、入力した日の税率を自動で付ける作りの場合、3月に納めた分の返品が1%で戻ってしまいます。そうなると、得意先が3月に計上した仕入税額と合わなくなります。
春の棚替えでは、定番から外れた商品の返品が4月にずれ込むことがよくあります。返品伝票に元の納品日を持たせるか、元の伝票から税率を引き継ぐように直しておく必要があります。
期間をまたぐリベートも同じで、対象になった売上の税率ごとに分けて計算しなければなりません。リベートを販売データから引き当てる手順は、リベートの金額が期末にならないと分からないにまとめています。
商品マスタや単価は、1%用に作り直す必要がありますか
1%の対象は、いまの8%(軽減税率)と同じ範囲とされています。そのため、商品マスタの「軽減税率」の区分はそのまま使えます。直すのは区分に結びついた税率の値で、区分そのものを増やす必要はありません。
ただし、一定の条件を満たす定期供給契約による販売は、4月以後も8%のまま残る経過措置があります。定期配送の得意先を抱えている場合は、契約ごとに8%を残すかどうかを判定する項目が別に要ります。
また、税込単価で取引している得意先とは、税率が下がったあとの本体価格をどうするかを取り決めておく必要があります。単価を受注日と納品日のどちらで切り替えるかは、10月の価格改定が請求書に反映されないと同じ論点になります。
2029年に8%へ戻すときも、同じ改修をもう一度するのですか
今回の改修を「1%を入れる」作業として済ませると、2年後に同じ規模の改修がもう一度必要になります。
税率をプログラムに直接書き込まず、適用を始める日と終える日を持った税率表として持たせておけば、2029年4月は表に行を1本足すだけで済みます。2029年3月に1%で納めた食品が4月に返品されたときも、元の納品日から税率を引く作りにしておけば、同じ処理で戻せます。
なお、8%へ戻すときの扱いには、まだ細かく示されていない部分があります。表の値は、公表された内容に合わせて見直す前提にしておきます。
税率表(税区分 × 適用期間)
税区分 開始日 終了日 税率
標準 2019-10-01 なし 10%
軽減 2019-10-01 2027-03-31 8%
軽減 2027-04-01 2029-03-31 1%
軽減 2029-04-01 なし 8% ← 2029年の戻しは行を足して対応します
明細の税率 = 税率表(商品の税区分, 元の納品日)
※返品・値引き・リベートは、元の納品日で税率を引きます
※経過措置の対象契約は、契約で決めた税率を優先します
改修範囲は、年内に何を見て決めればよいですか
直す場所は、請求書の様式だけではありません。会計へ仕訳を渡すときの税コード、得意先のEDIへ送る税率、入金消込で照らし合わせる請求額まで、税率が通る経路をすべて洗い出します。
そのうえで、昨年の実績から影響の大きさを数えます。20日締めや25日締めの得意先が何社あるか、3月に納めた分が4月以降にどれだけ返品されたかは、販売データから出せます。
-- 今年3月に納品し、4月以降に返品された明細を得意先別に数えます
SELECT r.customer_id, COUNT(*) AS 件数, SUM(r.amount) AS 返品額
FROM returns r
JOIN deliveries d ON d.delivery_id = r.original_delivery_id
WHERE d.delivery_date BETWEEN '2026-03-01' AND '2026-03-31'
AND r.return_date >= '2026-04-01'
GROUP BY r.customer_id;
返品が元の伝票とつながっておらず、このクエリがそもそも書けない場合もあります。その事実も、改修範囲を決める材料になります。
テストと、得意先との請求書様式の確認には時間がかかります。来年4月稼働の業務システムが8月着手でギリギリな理由と同じで、範囲を決めるのが年明けになると4月には間に合いません。
えらびの道では、卸売の受発注・請求をはじめ、業務システムをオーダーメイドで開発しています。今回のような税率変更では、いまの販売管理で返品伝票と請求書がどう作られているかを一緒に確かめたうえで、2つのことから始められます。税率を適用期間つきの表で持たせる改修と、昨年の返品や締日の実績を数える集計です。どちらも小さく作って先に動かします。既存のパッケージを使い続ける場合は、会計やEDIへ渡すデータの税区分を変換する部分だけを作る形もとれます。データの可視化やレポートの自動化にも対応しているので、切り替え後の4月・5月に税率別の売上と返品を確かめる帳票も合わせて用意できます。
販売管理の税率改修まで、えらびの道でお手伝いできること
合同会社えらびの道は、中小企業向けにシステムの受託開発と、データ活用・DXの支援をしている会社です。卸売の受発注・請求、介護のシフト管理、EC・決済など、現場で毎日使われる仕組みを作り、動かしてきました。
食品の消費税1%に向けては、御社の販売管理と得意先の締日に合わせて、直す範囲を洗い出すところからお手伝いします。請求書を納品日の税率で分けて集計する処理、返品伝票に元の納品日を持たせる改修、定期供給契約の経過措置を判定する項目の追加までを、取引の実態に合わせて組み立てます。2029年に8%へ戻すことを見越した税率の持たせ方も含めてご提案します。
全部を一度に置き換えることはせず、4月分の請求書のように止まると困る業務から動かし、残りは様子を見ながら移していきます。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当します。そのため、得意先ごとの締日や返品の慣習も、伺った内容をそのまま仕様に反映できます。
改修範囲を年内に決めたいものの、どこから見ればよいか迷っている段階でも構いません。えらびの道へのご相談はオンラインで30分、費用はかかりません。いまの請求書や伝票を見ながら、一緒に整理していきます。
よくある質問
食品の消費税1%はいつからいつまでですか?
国税庁の資料では、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の税率が1%(国・地方合計)に下がる予定とされています。対象はいまの8%の軽減税率と同じ範囲で、酒類や外食は含まれません。法律の成立が前提なので、最新の公表を確かめてください。
3月に納品した食品を4月に返品したときの消費税率は何%ですか?
国税庁のQ&Aでは、3月31日までに8%で売った飲食料品が4月1日以後に返品された場合、8%で返品分を計算するとしています。返品伝票に入力した日の税率が付く販売管理では1%で戻ってしまうため、元の納品日から税率を引ける作りにしておく必要があります。
締日が月の途中の得意先の請求書は、2枚に分ける必要がありますか?
分ける必要はなく、1枚の請求書に8%と1%の明細を並べられます。ただし適格請求書として、税率ごとに分けた合計額と消費税額を載せる必要があります。どの明細が何%になるかは締日ではなく納品日で決まるため、同じ商品が8%と1%の両方で載ることがあります。
この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。
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