追加作業と定期保守の請求漏れが年末に見つかる|受注・出荷・検収のどれを請求の起点にするかを、売上計上漏れが出る前に決める手順

請求管理販売管理業務システム

年に何度か、請求書を送った後で「先月の作業分が入っていません」と現場から言われることがあります。多いのは、見積書を出していない追加作業と、月額ではない定期保守の2つです。どちらも受注の画面に行がありませんので、請求をまとめる人からは最初から見えていません。12月は出荷も現場作業も増えますから、この抜けが年末に重なると、そのまま売上の計上漏れとして期をまたぎます。決めることは1つで、どの記録があったら請求してよいのかという起点です。

請求から抜けるのは、受注データに行がない仕事です

請求漏れが表に出るまで

請求書は、受注か出荷のデータから作られます。裏を返すと、受注の登録を通らなかった仕事には、請求のもとになるデータがどこにもありません。現場で「ついでにこれも見てください」と頼まれた作業、保証の範囲かどうか決まらないまま出した再訪問、年に1回の法定点検、契約の途中で台数が増えた分の保守料。どれも作業は終わっていて原価だけは出ていますが、請求を作る人の画面には出てきません。

抜けに気づく経路は、だいたい3つです。取引先から指摘される、案件の粗利が合わずに調べて分かる、期末の売掛残と注文書を照合して見つかる。いずれも作業から2〜3か月は後になります。なお、請求書を1月に出したとしても、法人税法第22条の2では、目的物の引渡しの日または役務の提供の日が属する事業年度の益金になります。請求を出した月ではなく、仕事が終わった日で決まります。

いま何の日付で売上が立っているかを、先に書き出します

取引の型ごとに書き出す6項目

起点を決める前に、いまの状態を確かめます。販売管理の「売上日」に何を入れているかを現場に聞くと、同じ会社の中で2つも3つも答えが返ってきます。出荷を登録した日、請求締め日、担当者が伝票を起こした日といった具合です。次の6つを、取引の型ごとに1枚に書き出します。

取引の型ごとに書き出す6項目
 1. 仕事が発生するきっかけ
    (注文書・メール・電話・定期契約・現場での口頭依頼)
 2. 社内にできる最初の記録
    (受注伝票・作業指示・点検予定・見積書)
 3. 完了を示す記録
    (出荷実績・作業報告書・検収書・引渡書・写真)
 4. いま売上日に入れている日付
    (受注日・出荷日・検収日・請求締め日・入力日)
 5. 請求書を作るときに見ている画面と、その画面に出てこない仕事
 6. 昨年その型で請求が抜けた件数と、気づいた時期

6番目が書けない型は、抜けていても分からない型です。まずそこを、次の手順で起点のある型に変えます。

起点は1つに統一せず、取引の型ごとに分けます

型ごとの請求の起点

全社で一律に検収日へ寄せると、在庫品の出荷まで検収書を待つことになります。逆に一律で受注日にすると、キャンセルや数量変更のたびに請求が動きます。分けて決めるほうが、結果として運用が続きます。

仕事の種類 請求の起点にする記録 この型で請求が抜ける場面
在庫品の販売 出荷実績 メーカー直送で出荷登録が残らない場面
受注生産品・特注品 検収書または検収完了の通知 検収書が返ってこない場面
設置や工事を伴う納品 引渡しの完了報告 手直しで引渡しが翌月へ動く場面
定期保守・年次点検 契約に書かれた実施予定日 点検を前倒しで実施した場面
追加作業・スポット修理 作業報告書の作業日 口頭で頼まれ報告書が出ない場面
常駐やサポートの月額契約 契約期間の各月末 中途で開始・解約した場面

型ごとに起点が決まると、どの記録が届いていないかを探せるようになります。金額をどの時点の単価で立てるかは別の論点ですので、受注残と継続契約の単価をどの日付で切り替えるかと合わせて決めておくと、後戻りが減ります。

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未請求は、記録と請求の突き合わせで毎月出します

未請求一覧を出す手順

起点を決めただけでは抜けは止まりません。起点の記録と請求の状態を突き合わせた一覧を、毎月決まった日に出します。締めの3営業日前あたりが現実的です。

未請求一覧(毎月、締めの3営業日前に出します)
 A 完了の記録があって、売上伝票がない行
   作業報告書・出荷実績・検収書のうち、売上伝票番号が空のもの
 B 売上伝票があって、請求明細に載っていない行
   請求締め日を過ぎているのに、請求書番号が空のもの
 C 契約上の実施予定日を過ぎて、実施記録がない行
   定期点検・定期交換・年次更新の予定日に猶予日数(例:14日)を足して判定します

 各行に付ける列
   取引先 / 案件番号 / 完了日または予定日 / 金額(見込みでも構いません)
   抜けている理由の区分
   (1:見積未提出 2:検収待ち 3:有償か無償か未確定
    4:担当者の失念 5:契約変更の反映漏れ 6:先方都合の延期)
   今回の締めで請求するか、翌月へ送るか

Cの行は、定期保守の請求漏れをほぼそれだけで拾います。実施予定日そのものが担当者の手帳にしか無い場合は、保守契約の次回点検日をデータへ移すところが先になります。

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つまずくのは、検収日が相手の都合で動くところです

検収日を起点にした型では、検収書が返ってこない案件が必ず残ります。民法では、請負の報酬は仕事の目的物の引渡しと同時に支払うものとされ(第633条)、委任では事務を履行した後でなければ請求できないとされています(第648条第2項)。検収の通知が来ないこと自体は、請求できない理由になるとは限りません。契約に「納品後14日以内に通知がなければ検収完了とみなします」と書き、システム側にも検収みなし日を持たせておくと、待ち続ける案件が滞留しなくなります。

もう1つは、12月に作業して1月に検収される案件です。どの日で計上するかは型ごとに決めて、毎期同じ扱いを続けることが前提になります。年末の切り替え時期に起点を変えると、変更月だけ二重計上か欠落が起きます。切り替え日を先に決め、その日をまたぐ案件を一覧にしてから移します。後から直すことになった場合の扱いは、締め処理で伝票の遡り修正をどこまで許すかと同じ整理になります。年内に決めるとすれば、型ごとの起点と、未請求一覧を出す日の2つで足ります。理由区分を増やすのは、その後でも間に合います。

えらびの道では、卸売の受発注・請求まわりの業務システムをオーダーメイドで開発しています。請求の起点については、取引の型ごとに起点の日を持たせる設計、作業報告書や検収書から売上伝票を起こす導線、締め前に未請求一覧を自動で出す仕組み、定期保守の実施予定日と請求予定を突き合わせる画面までを担当します。データの可視化やレポートの自動化にも対応しています。全部を作り替えるのではなく、まず未請求の一覧が毎月出る状態を作り、起点の統一は運用しながら詰めていく進め方をとっています。

請求の起点を決めるところまで、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DX支援を本業にしている会社です。卸売の受発注・請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、EC・決済、業務データの収集と予測基盤といった領域で、実際に手を動かして作ってきました。受注データに行が立たない仕事の扱いも、現場で見てきています。

この記事で扱った追加作業と定期保守の請求も、御社の取引の型に合わせて組み立てられます。作業報告書の作業日を追加作業の起点として受注データに載せ、定期保守は契約の実施予定日から未請求の行を立てます。完了の記録が届いているのに請求されていない仕事を、月次の締めの前に一覧で出すところまで含みます。

進め方は、全部を一度に置き換えない形をとっています。止まると困る1業務から動かし、残りは様子を見ながら移します。まずは追加作業だけを受注データに載せ、検収日が動く案件の扱いは次の期から広げる、といった範囲の決め方も一緒に考えます。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当します。

まずは、いまの販売管理の売上日に何を入れているかをお聞かせください。えらびの道ではオンラインで30分のご相談を承っており、費用はかかりません。

よくある質問

請求の起点は受注日と出荷日のどちらにすればよいですか

在庫から出す商品は出荷実績、受注生産品や工事は検収や引渡しの記録を起点にするのが扱いやすくなります。会社で1つに統一する必要はありません。型ごとに分けたうえで、決めた内容を請求担当と現場の両方が見られる場所に書いておくことが大事です。

現場で頼まれた追加作業の請求漏れは、何から手を付ければよいですか

作業報告書に売上伝票番号の欄を作り、番号が入っていない報告書を毎月抜き出すところからで構いません。金額が未確定でも行として残します。有償か無償かを決めていない案件が可視化されるだけで、請求できたはずの作業がそのまま消える件数は減ります。

12月に作業して1月に検収された仕事は、どちらの年度の売上になりますか

原則は目的物の引渡しの日か役務の提供の日で判断しますので、請求書を出した月では決まりません。検収の完了をもって引渡しとする契約であれば検収日が基準になります。いずれにしても、型ごとの基準を毎期変えずに続けることが前提になります。

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この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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