
1年以上出荷のない不動在庫が登録品目の3割を占めていた|大分の作業用品卸が防寒着の入荷前に、最終出荷日から廃棄・返品・発注停止を決めるまでの4つの失敗
この記事の事例は、実際にいただくご相談をもとにした想定ケースです。特定の企業を指すものではありません。
防寒着の棚を空けるために数えたら、登録品目の3割が1年動いていませんでした
この記事では、大分市内で作業服・手袋・安全靴・防寒着を建設会社や工場に卸している会社を例にします。登録品目は約4,200あります。毎年10月下旬に防寒着が入荷すると倉庫の棚が足りなくなり、通路にケースを積むのが恒例になっていました。
今年は入荷の前に棚を空けるため、2025年10月から2026年9月までの販売データを使い、1年以上出荷のない品目を拾い出しました。最終的には1,260品目、登録品目の3割がこれに当たりました。ただ、この数字にたどり着くまでにリストを3回作り直しています。ここからは、その途中で起きた失敗を順に書きます。
「最終取引日」で絞り込み、返品や棚卸の調整しかなかった品目まで動いている側に入れました
販売管理の品目一覧にある「最終取引日」は、出荷のほかに返品の受け入れ、棚卸差異の調整、倉庫間の振替でも更新されます。9月末の棚卸で数を直した品目は、出荷が1件もなくても「9月に取引あり」と表示されます。最初のリストは840品目しかなく、担当者は「思ったより少ない」と安心しかけていました。
これを防ぐには、売上明細から伝票区分が「出荷」の行だけを取り出し、品目ごとに最終出荷日を出し直します。
SELECT
i.item_code,
i.item_name,
i.stock_qty,
MAX(s.ship_date) AS last_ship_date,
SUM(CASE WHEN s.ship_date >= DATE '2025-10-01' THEN s.qty ELSE 0 END) AS qty_12m
FROM items i
LEFT JOIN sales_lines s
ON s.item_code = i.item_code
AND s.slip_type = '出荷' -- 返品・棚卸調整・振替は含めない
GROUP BY i.item_code, i.item_name, i.stock_qty
HAVING MAX(s.ship_date) IS NULL
OR MAX(s.ship_date) < DATE '2025-10-01';
棚卸調整が何度も入っている品目は、在庫の数が合わない原因も抱えています。9月末の棚卸しで在庫が合わないときに決めることとあわせて見直すと、手戻りが少なくなります。
出荷が1回でもあれば残すことにして、年に2枚しか出ない品目を棚に置き続けました
最終出荷日だけで線を引くと、半年前に1枚だけ出た品目は「動いている」側に入ります。在庫が80枚あっても、年に2枚しか出ないなら40年分の在庫になります。
そこで、過去12か月の出荷数から在庫月数(在庫数÷月平均出荷数)を出し、24か月を超える品目を別の候補として並べました。防寒着や雨具のような季節品は、通年で割ると少なく見えます。季節品は前年10月から3月までの出荷数と今の在庫を比べます。この計算は、品目コードと伝票区分がそろっていないと成り立ちません。需要予測の前に販売データが使える状態か確かめた食品卸の話と同じように、計算の前にデータの状態を確かめる手間がかかります。
年に1度しか注文のない取引先指定品まで、廃棄の候補に入れました
特定の建設会社が、年度末の安全大会や新入社員の受け入れのときだけ注文する指定色のヘルメットや、ロゴ入りの作業服があります。こうした品目は1年以上出荷がないことも珍しくありません。それでも捨ててしまうと、翌春の注文に応えられなくなります。営業担当はこの事情を知っていましたが、商品マスタにはどこにも書かれていませんでした。
防ぐために、過去3年の受注明細から、その品目を買った取引先が1社だけかどうかを出しました。1社だけの品目は、営業担当に確認してから振り分けます。あわせて商品マスタに「取引先指定品」の区分と取引先コードの項目を足し、次回からは候補に入らないようにしました。今回は110品目がこれに当たりました。
一覧の上で発注停止を決めただけで、商品マスタの発注可否を止めていませんでした
振り分けはExcelの一覧で進めていたため、会議で決まった時点で作業が終わった気になっていました。ところが、発注点を割ると発注候補に出る仕組みはそのまま残っていました。そのため、発注停止にしたはずの軍手が翌週に補充発注されていました。返品も、仕入先ごとに受け付ける期限と条件が違います。決めてから連絡するまでの間に、期限を過ぎてしまった品目がありました。
決めた内容は一覧ではなく商品マスタの発注可否と区分に入れ、その日のうちに発注候補から外れるようにします。発注点の持ち方は受注引当と発注点を休業前に決める手順で詳しく書いています。返品は、期限の早い仕入先から順に連絡しました。
| 振り分け | 選んだ場合 | 品目数 |
|---|---|---|
| 返品 | 仕入先が返品を受け付けていて、期限内に連絡できる場合 | 210 |
| 値下げして販売 | 型落ちでも現場で使え、取引先に案内できる場合 | 380 |
| 廃棄 | ゴムの劣化や破損があり、売っても使えない場合 | 290 |
| 発注停止のみ(在庫は残す) | 補修用の部品などで、在庫を手元に置く理由がある場合 | 270 |
| そのまま残す | 取引先指定品で、次の注文が見込める場合 | 110 |
廃棄する品目の会計処理は、実行の前に顧問税理士と確認しました。
えらびの道では、卸売の受発注・請求をはじめとする業務システムをオーダーメイドで開発しています。不動在庫の洗い出しであれば、いまお使いの販売管理から売上明細を取り出し、伝票区分を分けたうえで最終出荷日と在庫月数を毎月自動で出すレポートから作れます。そのあと、取引先指定品や発注停止の区分を商品マスタに足して発注候補から外れる仕組みまでを、使いながら少しずつ広げていく進め方をとっています。季節品の出荷数を将来の予測に使いたい場合も、同じデータを土台にできます。
不動在庫の洗い出しから発注停止の判断まで、えらびの道でお手伝いできること
合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発と、データ活用・DX支援を本業にしている会社です。卸売の受発注・請求、介護のシフト管理、業務データの収集と予測の基盤づくりなど、現場で使われる仕組みを作ってきました。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当するため、伺った事情がそのまま設計に反映されます。
伝票区分を分けた最終出荷日の集計、在庫月数の算出、季節品の前シーズンとの比較、取引先指定品の切り分けは、御社の販売データの形に合わせて組み立てる必要があります。販売管理から明細を取り出し、廃棄・返品・発注停止の候補を毎月同じ手順で出せる一覧にするところまでお手伝いできます。
進め方は、全部を一度に置き換えるやり方を取りません。まずは止まると困る1業務から動かし、残りは様子を見ながら移していきます。在庫の見直しであれば、今お使いの販売管理はそのままに、出荷明細の集計から始める方法もあります。
棚卸や防寒着の入荷を前に、どこから手をつけるか迷っている段階でもかまいません。えらびの道ではオンラインで30分のご相談を受け付けており、費用はかかりません。お手元の品目一覧や販売データの状況を伺いながら、進め方を一緒に整理します。
よくある質問
不動在庫は何か月出荷がなければ不動と判断すればよいですか?
一律の基準はなく、商品の性質によって変わります。通年品は12か月出荷がないことを一つの目安にしつつ、少しでも出荷がある品目は在庫月数で見ます。防寒着のような季節品は通年で割らず、前シーズンの出荷数と今の在庫を比べると判断を誤りにくくなります。
不動在庫を洗い出すのに在庫管理システムの導入は必要ですか?
必ずしも必要ではありません。販売管理から売上明細と商品マスタを取り出せれば、品目ごとの最終出荷日と在庫月数は集計できます。ただ、毎月同じ作業を繰り返すのであれば、抽出を自動にして発注停止の区分を商品マスタで持てるようにしておくと、決めた内容が発注に反映されない漏れを防げます。
発注停止にした商品を、あとで再び取り扱うことはできますか?
商品マスタの発注可否を戻せば再開できます。品目を削除せずに区分で止めておけば、過去の販売履歴も残ります。停止した日と理由を一緒に記録しておくと、取引先から再び注文が入ったときに、なぜ止めたのかを後から確かめられます。
この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。
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