紙の稟議書が課長の机で3日止まる|承認ワークフローの前に決めた金額基準と代理承認、10月の下期決裁に間に合わせる範囲

承認ワークフロー稟議書決裁権限

この記事の事例は、実際にいただくご相談をもとにした想定ケースです。特定の企業を指すものではありません。

業務用厨房機器の販売とメンテナンスを手がける会社(従業員94名、本社・営業所2か所・サービス拠点1か所)のお話です。5月末に、修理部材の発注が遅れて取引先の厨房が半日止まりました。原因をたどると、部材の購入稟議が課長の机の上で3営業日動いていませんでした。

稟議書には起案日しか書く欄がありませんでした

稟議が止まっていた日数

この会社の稟議書に日付欄は1つ、起案日だけでした。誰が何日持っていたかは、どこにも残っていませんでした。そこで6月に、3月から5月までの144件を1件ずつ当たり、受け取った日と承認した日を聞き取って台帳にしました。

稟議番号, 起案日, 起案者, 金額, 区分,
承認者1_受領日, 承認者1_承認日,
承認者2_受領日, 承認者2_承認日,
最終承認日, 経理合議日

起案から最終承認まで平均6.2営業日、最長17営業日でした。内訳は課長の手元が2.9営業日、部長が1.4営業日、常務が0.8営業日、経理の合議が0.6営業日、拠点間の社内便が0.5営業日です。月次の遅れを待ち時間と作業時間に分けたときと同じで、数えてみると印象と場所が違いました。課長が承認しないのではなく、課長が自席に戻る日が月に8日しかなかったのです。

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62%の稟議が、規程より上まで回っていました

金額区分と決裁者の変更

金額で並べ直すと、月48件のうち30件が10万円未満でした。ほとんどが修理部材です。決裁権限規程では10万円未満は課長で完結するはずでしたが、実務では全件が部長と経理まで回っていました。数年前に単価の高い部材を誤発注したことがあり、そのときの「念のため部長にも」がそのまま残っていました。

金額の区分 改定前に実際に回っていた先 10月からの決裁者 経理の関わり方
10万円未満(月30件) 課長・部長・経理の3名 課長のみ 月次の一覧確認
10万円以上50万円未満(月12件) 課長・部長・経理の3名 課長と部長 月次の一覧確認
50万円以上300万円未満(月5件) 課長・部長・常務・経理の4名 課長と部長と常務 起案時の事前確認
300万円以上(月1件) 課長・部長・常務・社長・経理 全役職と経理 起案時の事前確認

代理承認は「誰が」ではなく「何日で」で決めました

代理承認への切り替え

代理承認者を役職で決めるだけでは止まりました。代理に指名された次長も現場に出る人だったからです。そこで、人ではなく時間で切り替える形にしました。

route:
  - when: 金額 < 100000
    approvers: [課長]
  - when: 100000 <= 金額 < 500000
    approvers: [課長, 部長]
  - when: 500000 <= 金額
    approvers: [課長, 部長, 常務]
escalation:
  idle_business_days: 2        # 2営業日動かなければ
  action: 次位者へ権限を渡す
  notify: [起案者, 本来の承認者]
absence_flag:
  set_by: 承認者本人
  effect: 即時に次位者へ回す

あわせて、代理で承認された案件は月末に本来の承認者が一覧で確認する運用にしました。権限が誰のものか分からなくなることを防ぐためです。

不在は勤怠ではなく、承認者が立てる旗にしました

当初は勤怠システムの休暇区分から不在を判定するつもりでした。ところが課長が席にいなかった日の内訳は、休暇3日・出張2日・現場同行と点検立会い3日で、後半の5日は勤怠上すべて「出勤」でした。勤怠からは不在を取れません。

そこで、承認者が自分で「今日は外です」と旗を立てる方式にしました。旗が立っている間はその人を飛ばして次位者へ回ります。戻し忘れても2営業日のエスカレーションが働きます。承認者の並びを組織図から自動で引く案は見送りました。期中の組織変更で承認者が入れ替わると、過去の稟議の承認者まで変わってしまうためです。

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10月1日に間に合う範囲は、購買稟議までとしました

10月1日に移す範囲

7月下旬からサービス拠点1か所で、紙と並行して試験運用を始めました。8月中旬時点で、その拠点の平均は6.2営業日から2.4営業日に、最長は17営業日から6営業日になりました。差し戻しは月4件から2件へ減っています。

9月に残りの部門へ広げ、9月末の取締役会で決裁権限規程の改定を決議し、10月1日の下期決裁から購買稟議(仕入・外注・修理部材)を電子に移します。人事系の稟議、契約書の押印を伴うもの、与信は今回の範囲から外しました。押印が絡むと印章規程と電子契約の検討が必要になり、10月には間に合わないからです。件数では購買が全体の7割を占めるので、まずそこだけを動かします。紙の様式を残したまま電子を始めると両方が生き続けるので、10月1日以降は購買稟議の紙を受け付けない、と先に決めました。この点は業務システムが定着せず現場がExcelに戻る理由と同じ構図です。

えらびの道では、業務システムをオーダーメイドで開発しています。卸売の受発注・請求や介護のシフト管理など、承認と権限が絡む仕組みを作ってきました。承認ワークフローでは、決裁権限規程を条件式に落とす作業、滞留日数を後から数えられるログの設計、既存の販売管理や会計から金額や取引先を引いてくる部分をお手伝いできます。小さく作って動かしながら育てる進め方をとっているため、件数の多い1種類から始めて後から範囲を広げる組み方もできます。

承認の流れを止めない仕組みづくり、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、中小企業向けのシステム受託開発とデータ活用・DX支援を手がけています。卸売の受発注・請求、介護のシフト管理、出張販売の管理、EC・決済、業務データの収集と予測基盤といった領域で、実際に手を動かして作ってきました。机上の話ではなく、現場で使われる仕組みとして組み立てることを大切にしています。

この記事で扱った稟議の滞留も、承認ルートの組み立てとしてお手伝いできる部分です。金額区分ごとの決裁者の設定、一定日数で次位者へ権限を渡すエスカレーション、不在フラグの切り替え、代理承認された案件を月末に一覧で振り返る画面まで、御社の決裁権限規程に合わせて作れます。滞留日数を台帳として残す仕組みも、あとから改定を検討するときの材料になります。

進め方は、全部を一度に置き換えない形を取っています。今回のように「修理部材の稟議だけ先に回るようにする」など、止まると困る1業務から動かし、残りは様子を見ながら移していきます。打ち合わせから開発まで同じ人間が担当しますので、現場で聞いた話が伝言で薄まることはありません。

承認の流れで困っていることがあれば、一度お話を聞かせてください。オンラインで30分、費用はかかりません。今の稟議書と回り方を見せていただければ、どこから手をつけると効きそうかをその場でお伝えします。

よくある質問

承認ワークフローを入れるまでにどのくらいかかりますか?

範囲によります。購買の稟議だけに絞り、金額基準と代理承認の決め方が社内で固まっていれば、試験運用を含めて2〜3か月が目安です。決裁権限規程の改定に取締役会の決議が必要な場合は、その開催日から逆算して準備を進めます。

稟議の金額基準はどうやって決めればよいですか?

過去3か月分の稟議を金額で並べ、件数がどの帯に集まっているかを数えるところから始めます。件数の多い帯を上位者まで回していると、それが滞留の主因になります。規程どおりに運用されているかどうかも、同時に確かめておきます。

承認者が不在のとき、代理承認は誰に設定すればよいですか?

役職だけで決め切らず、何営業日動かなければ次へ回すかという時間の条件と組み合わせます。代理で承認された案件を後から本来の承認者が一覧で確認できるようにしておくと、権限の所在が分からなくなることを防げます。

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この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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